食卓にあったらつい手が伸びる「漬物」!最高のご飯のお供だ。食感もこれぞおふくろの味。おばあちゃんの漬物が思い出深い方も多いのではないだろうか。ただ、この懐かしい味を取り巻く環境にある変化起きている。

福島県下郷町にある藤の郷直売所「よらっしぇ」
地元でとれた野菜で作った漬物が売りだが…直売所担当の渡部陽子さんは「このコーナー、半分近くお漬物のコーナーがあったんですが、今はほとんど皆さん辞めるよということで辞めてしまって。今はほんとこの部分だけになってしまったんですね」と話す。

地元のかぁちゃんたちの漬物づくりに影響したのが、食品衛生法の改正だ。
これまで福島県では、農家などの事業者は作業場の図面や漬物の種類などを各保健所に届け出することで製造ができた。これが食品衛生法の改正で、新たに漬物製造業者が「営業許可」の対象に。「台所と別に衛生的な専用の作業場を設けること」「カビなどの発生を防ぐ換気設備があること」「手洗い専用の洗い場を設ける」などの基準を満たすことが求められる。このため、新たに設備を整える資金面などから漬物作りを辞めた生産者もいるという。

直売所では、これまで地元の漬物を10種類以上置いていたが、現在は3種類に減った。直売所担当の渡部さんは「地元の昔ながらの伝統の味がだんだん無くなってしまうのかなというのを考えると、とても寂しい気持ちですね」と話す。

直売所に漬物を出荷している渡部澄子さん(84)。自宅の隣にある加工所は営業許可を受けて、30年以上、自慢の味を守っている。渡部澄子さんは「せっかく育んできた漬物が自分なりの自慢の漬物が少なくなっちゃうかなと思って心配しています」という。
周りの生産者が漬物づくりを辞めていることに寂しさと危機感を感じている渡部さん。興味がある人には、積極的に自分の味を伝えていこうと考えている。「若い人に伝えるには一緒になって活動できる人を今のうちに誘えば、ここの加工所も生きて来るかなと思っている」と話す。

地域に愛される自慢の味を守るために。直売所でも漬物づくりを辞めた生産者に技術と味を伝えていってほしいと期待している。

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