6年の時を経て一つの形となった。
2018年に不来方高校の男子バレーボール部員が自殺した問題で、県教育委員会は教職員の不適切な指導を根絶するための再発防止「岩手モデル」を策定し、5月28日に臨時の校長会議で説明を行った。

「岩手モデル」は、不来方高校男子バレー部員だった新谷翼さん(当時17)が、顧問の不適切な言動を苦に自殺した問題を受け、再発防止策などをまとめたものだ。
新谷さんの名前を取って「TSUBASAモデル」と名付けられている。

策定にあたっては、2020年から有識者による委員会で内容を協議。
県教委が項目を整理し、5月27日に正式に策定された。

県教委は5月28日に報道陣に内容を説明した。

再発防止に向けた主な取り組みとして、教職員はこのモデルの趣旨を理解した上で、児童生徒を指導するという宣言書を任意で提出。
懲戒処分を受けた場合、誓約書の提出と1年間の事後研修が義務付けられる。
管理職に対しては児童生徒や保護者から不適切な指導の申し出があった場合、その教職員をただちに部活動から外すよう求めている。

県教委では不適切な指導に対応する服務管理監5人が中心となってモデルを推進し、児童生徒や保護者からの相談窓口も設ける。

県教委 教職員課 大森健一服務管理監
「(モデルを)つくって終わりではないということで、まずは実践をして改善し、見直しをしていく」

午後に開かれた臨時の校長会議には、県立学校の校長など115人が出席し、はじめに県の佐藤一男教育長があいさつした。

県教委 佐藤一男教育長
「岩手モデルの最終目的は、全ての児童生徒が安心していきいきと学校生活を送れるようにすること。児童生徒のかけがえのない命が奪われるようなことが二度と起きないよう、不適切な指導の根絶に向けて全校長先生方のご協力をお願いします」

このあとモデルの具体的な内容について非公開で説明が行われ、内容を共有した。

雫石高校の校長
「教職員、特に管理職の責任の重さというものを改めて感じています」

平舘高校の校長
「生徒が安心して学校生活に取り組める環境を教職員全員で作っていきたいと改めて考えたところです」

モデルの策定を受け、新谷さんの父親・聡さんは岩手めんこいテレビの取材に対し、「これから現場で再発防止につながる運用をしてもらいたい。自死事案は風化させてはならない」と話している。

県教委では外部の専門家にモデルの推進状況をモニタリングしてもらうほか、必要に応じて内容の改正も図っていくとしている。

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