国会では、太平洋戦争中、アメリカ軍による空襲で障害を負った人たちに1人50万円の特別給付金を支給するなどの法案の成立を目指して与野党の国会議員が集まりました。

超党派の空襲議連 自民 平沢勝栄会長
「今国会も残すところあと1カ月を切って3週間になりました。この3週間でできるところまでやっておかないと、この問題、永久に何もできないということになりかねないわけで、しっかり取り組んでいきたい」

 戦争被害を巡っては、軍人・軍属らには恩給が支払われてきましたが、一般の空襲被害者らには「国との雇用関係がなかった」などとして一切の補償がされていません。

 国会前には、空襲で家族を失った人たちが週に1度集まり、空襲被害の実態調査や追悼施設の設置、障害を負った人への給付金が盛り込まれた救済法案の成立を訴えています。

空襲で母と弟2人を失った河合節子さん
「民間人の戦争被害がなかったことにされてしまうこと、歴史の中でうずもれさせてしまうことには、とても我慢できないというか納得できませんので、障害の方たちに対する給付金という形で国が対応したんだということをきちんと刻み込みたい」

空襲で母と弟を失った鈴木正信さん
「(空襲被害は)自然災害とは違いますから、私たちに過失があるわけではないし責任は国があると思いますよ。物理的にはアメリカに殺されたんだけれども、精神的には日本政府に痛み付けられています。孤児になった方と今、障害で苦しんでいる方をすぐ救済すべきだと思います」

 こうした救済を求める活動は50年前から行われていて、法案も14回国会に提出されましたが、いずれも廃案となっています。

 超党派の空襲議連で会長を務める自民党の平沢勝栄衆議院議員は、法整備は国が当然のこととしてやるべきことだと強調しました。

超党派の空襲議連 自民 平沢勝栄会長
「(法律が)できても、あまりにも遅すぎだと恥じなくてはいけない。謝らないと、そういった方々に」

超党派の空襲議連 自民 松島みどり事務局長
「あの時の大日本帝国は、国民も一緒に戦うんだといって町を守るんだといって、空襲でも火を消さないといけないとまで言ったわけですから、それなのに民間の被害者は関係ないというのはおかしい」

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