特集は“防災”です。
鹿児島県の奄美地方は梅雨入りし、今週前半は県本土でも大雨になるなど、本格的な雨のシーズンがやってきました。
気象庁や自治体、テレビから出される大雨などの情報を受け取ったら、私たちはどうするべきなのか。
防災に詳しい鹿児島大学の井村隆介准教授に話を聞きました。

今週前半の県内は、大気の状態が非常に不安定となり、一部で大雨となりました。

テレビでよく耳にしたのがこのフレーズです。

5月27日ライブニュース・坪内一樹アナウンサー
「気象台は今夜からあす日中にかけて県内全域で線状降水帯が発生する可能性」

気象庁が5月27日から運用を始めた、都道府県単位での線状降水帯予測の呼びかけです。

発生が予測される半日程度前から呼びかけられる、この情報を受け取ったとき、皆さんはどうしましたか?

【大雨の備え1.半日前の線状降水帯予測どういかす?】

防災に詳しい鹿児島大学の井村隆介准教授です。

鹿児島大学・井村隆介准教授
「そのときに雨が降っていなかったとしても、半日後の行動、何時ぐらいになるんだろう、そのときに家族はどうしてるんだろう、自分はどうしてるんだろうと考えるチャンスはもらえる。電車が止まってしまったらどうしよう、バスが止まってたらどうしよう、ということを考えて、早めの行動をとる。避難に直接結びつくものではなくて、自分の半日後の行動に結びつくような情報として考えてもらえればいい」

【大雨の備え2.雨量を読み解く】

テレビなどで伝えられるこの情報。

5月27日放送新井さん解説
「予想される24時間雨量、あすの夕方まで多いところ薩摩、大隅、奄美は250ミリ、種子・屋久は最大300ミリ」

この雨量を聞いたとき、皆さんはどこまでイメージできていますか?

例えば、鹿児島市を含む薩摩地方は24時間雨量の最大は250ミリと予想されていました。

気象庁のホームページを見ると、2022年鹿児島市で降った雨量は2510ミリ、ということは…

2023年一年間で降った雨の10分の1の量が、24時間で降ると予想されていたわけです。

鹿児島大学・井村隆介准教授
「普通シラスが崩れ始めるのは、(雨量が)200ミリになると崩れ始めると言われている。梅雨でずっと降り続いている状態ではなかったため、助かった感じ。同じ状況が梅雨末期とかに生じると、大きな災害になったのではないかと思う」

【大雨の備え3.晴れているうちに”今”すべきことは?】

ところで、県内ではこれからしばらく晴れの日が多くなると予想されています。

今、私たちがすべきことはなんなのでしょうか?

鹿児島大学・井村隆介准教授
「今回の雨で崩れなかったけど、ちょっと水がどこか溢れたとか、側溝が詰まったとか、そういうところを晴れている間に見直してみる。そういうチャンスができた」

また井村先生は、自治体から配布されているハザードマップを手元に準備し、しっかり読み解くことが重要と話します。

【大雨の備え4.ハザードマップを読み解く】

鹿児島大学・井村隆介准教授
「多くの人は、ハザードマップがどこにいったか分からない状況だと思う。今のうちに鹿児島市のホームページでプリントアウトして、確実なものとして持っておいて欲しい。(災害時に)ダウンロードすると、あっという間にバッテリーがなくなって、身内と連絡が取れないということも起こりうる。事前の情報として最たるものがハザードマップ。そこに書かれている防災情報の意味を事前に知っておいて、そのとき(災害時)に出されたものと、事前の情報を合わせて自分で行動するのが大事」

最後に、ハザードマップを眺めるのではなく、「読み解く」とはどういうことなのか実践してみました。

井上彩香アナウンサー
「私は今、鹿児島市の鹿児島大学・郡元キャンパスにいます。もしも大雨が降った場合、一番近くにあるのが鹿児島大学の第二体育館が避難所。洪水・内水氾濫の時には『△』。1階は浸水する恐れ。鹿児島大学の第二体育館は最初からは開設されていない。だから、ハザードマップを手元に置いておくだけでなく、近くにある避難場所がどういった避難場所なのか、考えておく必要がありそうです」

いざ、災害が起こったときに大切な“命”を失うことがないよう、今できる備えをしっかり実践しておきましょう。

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