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迷走していた政治資金規正法改正をめぐる自民党の修正案がようやくまとまりました。岸田総理は31日午前、連立を組む公明党の山口代表、そして野党の日本維新の会の馬場代表と立て続けに会談を行い、それぞれの要求を取り入れる形で受け入れました。

■パー券公開「5万円超」公明に譲歩

握手で始まった自公の党首会談。30日の発言を受けてのことです。

公明党 山口那津男代表(30日)
「自民党から昨日示された修正案は、そのまま賛同することはできないというのが公明党の考え方」

修正案をめぐる自公の溝は2つです。パーティー券を誰がいくら買ったのか公開する額の「5万円超」への引き下げ。そして、党から幹部に渡される政策活動費を監視する第三者機関の設置です。

溝は埋まったのでしょうか。

公明党 山口那津男代表
「自民党総裁、岸田総裁としての大きな決断をお示しいただいた。パーティー券収入の公開上限について5万円にすると。政策活動費については第三者機関を設置すると」

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■維新にも譲歩 旧文通費・政活費で

■維新にも譲歩 旧文通費・政活費で

山口代表が取材に応じるなかで官邸を後にする岸田総理。姿を見せたのは国会です。協力をもとめたのは、野党第2党の日本維新の会でした。会談後に署名までしてみせた合意文書の中身はこうです。

政策活動費は、維新の要求を受けて、1年間に使える上限を決め、10年後に領収書などを公開することに。さらに、維新の看板政策である旧文通費(調査研究広報滞在費)の公開を法制化することも認めました。

日本維新の会 馬場伸幸代表
「我々の主張を100%丸のみは非常に大きな前進」

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■“骨抜きの可能性” 立憲が指摘

■“骨抜きの可能性” 立憲が指摘

公明党ばかりか野党の主張も取り入れて、政治決着でまとまった修正案。ところが、自民党が示した修正案の説明資料には、改革の先送りとも取れる言葉が並んでいました。13項目にわたる修正内容うち、8カ所に「検討」と書かれています。

例えば、政策活動費について。もともと維新の案では金額を年間5000万円などに制限したうえで、10年後に領収書などを公開するとしていました。ところが、修正案の資料では「制度の具体的な内容については早期に検討」となっています。

さらに、公明党と合意した政治資金をチェックする第三者機関の設置も「監査の在り方を含め検討」となっています。

立憲民主党は、骨抜きになる可能性があると指摘します。

立憲民主党 安住淳国対委員長
「(パーティー券の公開額を)5万円に引き下げるといっても、経過期間は20万円のままなんでしょ。(政策活動費は)5000万円の上限でとアッパーを決めていたのに、そこが外れてしまうと、今みたいに何億円でもいいんですかとなるから。これは事実上の骨抜きになっているというよりも、今よりも緩くなったりすることもあり得るんですよ」

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■岸田総理 「踏み込んだ案を提示」

■岸田総理 「踏み込んだ案を提示」

街の人はどう見ているのでしょうか。

80歳
「(Q.政策活動費を10年後に公開すると)10年?死んじゃうわ。もっと早くできないのかしら。お金に関しては、私たちからしたら(政治家は)雲の上の方。感覚違うんじゃないと思います」

32歳
「今年度でいいんじゃないですか。普通だったら」
「公開された時に(国会議員を)辞めている人もいると思うので、責任逃れというか。(10年後に公開されても)そんなことやってたんだくらい。熱が冷めるのを利用している」

政治決着で修正案をまとめた岸田総理は…。

岸田文雄総理大臣
「政治資金規正法の改正を今国会で確実に実現する。国民の皆さんとの約束、これは果たさなければ政治への信頼回復はできない。こうした強い思いから、自民党として思い切った、踏み込んだ案を提示する決断をした」

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■公開額「5万円超」なぜ“譲歩”?

■公開額「5万円超」なぜ“譲歩”?

政治部官邸キャップの千々岩森生記者に聞きます。

(Q.パーティー券の公開基準額について、自民党は、5万円なんてとてもできないと言っていましたが、岸田総理が出てきて折れました。なぜですか)

千々岩森生記者
「まず、パーティー券に拘ったのは、自民党議員の資金源そのものだからです。企業や一般の方がパーティー券を買う場合、名前を出してほしくない。今の20万円から10万円になれば、議員からみれば収入が半分。5万円なら一気に4分の1になる可能性があります。これは与野党問わず、議員は皆嫌です。自民党内の反発は必至ですから、岸田総理としては半減の10万円で収めたかった。ただ、29日に状況ががらっと変わりました。『公明が自民案に賛成へ』と報道が一斉に流れた。批判の矛先が公明党に向かいかけた。支持者の反発もあって公明党の態度が硬化し、岸田総理が譲歩せざるを得なくなったのが大きな流れです。公明党との交渉にあたった自民党議員は『5万円の条件をのんだことで、党内から凄まじい批判の矢が飛んでくる』と嘆き節でした」

(Q.党内の反発も予想されるとなると、岸田総理は今後、どうやって党運営していくのでしょうか)

千々岩森生記者
「揺れに揺れて、最後は総理が飛び降りて決着するという、最近の岸田政権のパターンが繰り返された印象です。派閥解消も政倫審の時もそうでした。自民党には今、まとめ役がいない。岸田総理の求心力は確かに低下しているけども、茂木幹事長も麻生副総裁も軸となって腕力を発揮していくことも見えてこない。私は自民党が“Gゼロ時代”に入ったとみています。ここ数カ月の自民党のあり様が改めて浮き彫りになった気がしています。中身は別としても、法案は来週に衆議院を通過、今の国会で成立する流れは見えてきました」

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