放火の疑いで酒田市の消防団員の男が逮捕された事件の続報。男は、逮捕容疑となった現場に「出動の必要はない」と指示を受けながらも赴き、消火活動に加わっていたとみられることがわかった。
酒田市の非常勤特別職にあたる消防団員の逮捕を受け、矢口市長は3日、「捜査には協力したい」とした上で、市民に対し陳謝した。
(酒田市・矢口明子市長)
「市民の安全を守るべき立場にある者が、このような行為を行ったのであれば極めて遺憾。何より市民のみなさんには、毎日大変不安な思いで過ごしたと思う。多大な心配・迷惑をかけたことを深くお詫びする」
5月30日、酒田市公園会館にライターを使って放火した疑いで逮捕・送検された、酒田市消防団第一分団・副分団長の田賀一稀容疑者。
この現場の消火活動に団員として加わっていたとみられることが、警察の調べでわかっている。
しかし、消防団で田賀容疑者の上司にあたる分団長は…。
(酒田市消防団 第一分団・伊藤千秋分団長)
「きのう(5月30日)は分団が出る前に火災が鎮圧したということなので、消防団としては出動していない」
消防団によると、出動する際は、副分団長の田賀容疑者から分団長に確認をとることになっているということで、5月30日にも連絡があったという。
(酒田市消防団 第一分団・伊藤千秋分団長)
「田賀容疑者から私に『出動するか』と連絡があったので、『一応準備はしてくれ、人を集めてくれ』と指示した。しかし出動前に鎮圧と情報があったので、『出動なし』と電話で田賀容疑者に言った」
田賀容疑者は、行く必要のない現場に「自らの意思」で赴いていたことになる。
容疑者が所属する第一分団が活動する管内では、5月10日までの2週間に6件の不審火が相次ぎ警察が関与を調べている。
市によると、このうち5月1日・4日・5日・10日の4件の現場で、田賀容疑者の出動が報告されているという。
取り調べに対し、「ストレスがあり、発散したかった」などと供述している田賀容疑者。
警察では動機の解明を進めるとともに、今回の逮捕容疑となった現場に加え、不審火の複数の現場で確認された「油」について、成分の分析を進めている。
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