ホットコーヒー

 コーヒーは家でゆっくり、ちょっとぜいたくに楽しみたい――。そんなコーヒーの味わい方のトレンドが、調査会社インテージ(東京都千代田区)の調査から浮かんだ。缶コーヒー飲料やインスタントコーヒーの売り上げが減る一方で、ドリップなどで入れるレギュラーコーヒーの販売金額は順調に伸びている。

 インテージが全国のスーパーやコンビニエンスストア、ドラッグストアなど約6000店のデータから国内の家庭向けコーヒーの販売状況を推計した。

 調査によると、2023年の家庭向けのコーヒーの販売金額は6297億円で、17年に比べ1・8%減った。販売金額の大部分を占めるペットボトルや缶などのコーヒー飲料が17年比4%減の4831億円と落ち込んだことが大きい。また、インスタントコーヒーも物価高の影響で人気が落ち、23年の販売金額は17年比9・6%減の756億円となった。

 こうした中、売り上げを伸ばし続けているのがレギュラーコーヒーだ。23年の販売金額は647億円で、17年比で26・3%の増加だった。インテージの木地利光市場アナリストは「コーヒー飲料やインスタントコーヒーは物価高で割安感が薄れている。『どうせなら品質のいい豆や粉を買っておいしいコーヒーを飲もう』とレギュラーコーヒーを選ぶ消費者が増えているのではないか」と分析する。

 一方、国内の喫茶店の数は減少傾向にある。全日本コーヒー協会によると、21年の喫茶店数は5万8669で、ピークだった1981年(15万4630)の半分以下になっている。

 国際コーヒー機関(ICO)によると、22年のコーヒー消費量で1位は欧州連合(EU)、2位は米国、3位はブラジル、4位が日本となっている。【福富智】

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