自民党横浜支部連合会の佐藤茂会長は4日、党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、政治資金規正法改正の目途が立ったことを受け、「敢えて総裁自ら責任を取り、身を引くよう、苦渋の決断をしていただき、自民党総裁選挙では、大胆な改革と政治刷新を進めることのできる強いリーダーシップの取れる新進気鋭の総裁を」と述べ、新たな態勢で次期衆院選に臨むべきだと明言した。ANNの取材に対して、佐藤会長は、「地方の自民党の会長として、地域の党員の声を敢えて総裁に物申した」と語った。自民は、不戦敗も含め全敗の衆院3補選だけでなく、地方選でも連敗が続くなど厳しい状況に直面している。横浜と同じ神奈川県の小田原市長選でも、自民などが推薦する候補が敗れており、自民党横浜市連の佐藤会長は、この結果も踏まえて、岸田総理への退陣を求めたと述べている。
一方、自民党の菅前総理は6日夜、都内で、菅政権で閣僚を務めた萩生田光一前政調会長、加藤勝信元官房長官、武田良太元総務大臣、小泉進次郎元環境大臣と会食した。萩生田、加藤、武田の3氏は、頭文字を取り「HKT」と呼ばれており、定期的に集まっているが、この日は菅前総理が4人に声をかけたとのこと。岸田政権での党勢低迷が続く中、約3か月後の9月に迫る党総裁選への対応、終盤国会の情勢、岸田総理の政権運営について意見交換を行ったとされている。
岸田総理は5月31日、麻生副総裁、茂木幹事長らの反対を押し切り、公明の山口代表、維新の馬場代表との相次ぐ党首会談に臨んだとされている。岸田総理は維新・馬場代表との会談で、政党から議員個人に支出される「政策活動費」について、維新が主張する「領収書を10年後に公開」を“丸のみ”し、合意文書を交わした。しかし、自民が維新に提示した修正案には、「対象は1件当たりの金額が50万円超に限る」と記されていた。記載内容を精査した維新はこれに反発、法案は6月4日に公明と維新の賛成で衆議院を通過する予定だったが、維新は前日の3日に、すべての領収書を公開対象にすることを求め、さらなる再修正を迫った。
再三にわたる修正を経て、6日に衆議院を通過した改正案には、政党が議員に支給する「政策活動費」の領収書を10年後に全面公開すると明記された。国民民主の長友慎治議員は5日に開かれた政治改革特別委員会で、「10年後に不正が発覚したとして、政治資金規正法の時効は5年、所得税法も時効になる。誰も罰せられない、となるんじゃないか」と質していた。これに対して、岸田総理は、「具体的なルールについて 法案が成立した暁には、罰則の要否等も含めて各党各会派で検討が行われると認識している」と答弁していた。
★ゲスト:若狭勝(弁護士/元東京地検特捜部副部長)、今野忍(朝日新聞政治部記者)
★アンカー:杉田弘毅(ジャーナリスト/元共同通信論説委員長)
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