東京大(藤井輝夫学長)は10日、検討している学費の引き上げについて「大学の将来のために、いまなにを具体的にすべきかを慎重に見きわめていく」とする学長名の文書をホームページ上に掲載した。学費の引き上げは5月に報じられて以降、一部の学生や教員が反発している。
東大の授業料は、文部科学省令が定める国立大の「標準額」となる53万5800円。省令では、各大学の裁量で最大20%を上乗せできるとしている。
文書では、値上げを検討する理由について「限られた財源を活用して、教育研究環境の充実に加え、設備老朽化、物価上昇や光熱費等の諸費用の高騰、人件費の増大などに対応せねばなりません」と説明。一方で、「値上げをする場合には、経済的困難を抱える学生への配慮は不可欠」として授業料免除の拡充や奨学金充実などの支援の仕組みを検討しているとした。
東大では、藤井学長が学生とオンラインで意見交換する「総長対話」を6月に予定している。「検討案もそうした対話のなかでお示しし、みなさんと共有する」とし、決定した方針を速やかに公表すると記した。【井川加菜美】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。