家族の介護や世話に追われる「ヤングケアラー」の支援を明文化した改正子ども・若者育成支援推進法の成立を受け、一般社団法人「日本ケアラー連盟」は10日、全国の自治体に支援の地域差解消を求める声明を発表した。
声明では、ヤングケアラーの支援を充実させるために自治体などの相談窓口を明確にし、家庭環境の評価や家族をまるごと支援する観点などが重要だと指摘。「まだ多くの自治体で本格的な取り組みは始まっていない」として「国のバックアップの下、さらに多くの自治体が支援に具体的に取り組むことが期待される」と記した。
改正法では、ヤングケアラーを「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」と定義している。同連盟は声明で「『過度に』という表現は支援の対象範囲を狭めてしまう懸念がある」と注意を促している。
東京都内で記者会見した連盟の田中悠美子理事は「虐待に当たるような緊急度が高い場合は第三者でも(過度な状態だと)気づきやすいが、予防的視点を含めた支援が必要だ」と訴えた。【田中裕之】
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