完成間近で解体が決まった東京都国立市のマンションをめぐり、事業主の積水ハウス(本社・大阪市)は取材に対し、「構造上の問題などはなく、必要な法令はすべてクリアしていた」と答えた。マンションが富士山の眺望を阻害するなど景観上の問題から今月3日、解体の判断に至ったという。

  • 1カ月で一転「解体」、国立市マンション 積水ハウス「経営判断」
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 マンションは国立市中2丁目の「グランドメゾン国立富士見通り」(10階建て、総戸数18戸)。JR中央線国立駅から徒歩約10分の富士見通り沿いにあり、「国立富士見通りに10年ぶりの分譲マンション」をうたっていた。

 都によると、着工前に行われる行政側による建築確認では、建築基準法上の問題はないと判断され、昨年1月18日に「確認済証」が交付されたという。

 積水ハウスは今年5月時点で、日影や地面から空を見通せる「天空率」についての建築計画の変更を都に届け出て認められていたが、そのわずか約1カ月後の今月4日に解体を市に伝えていた。

 近くの商店街で店舗を営む男性(76)は「あまりにも唐突。なぜ壊すのか知りたい」と話した。(三宅梨紗子、中野浩至)

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