道路を悠然と歩くヒグマの親子。乗用車との距離は近い=北海道斜里町で2022年5月12日、貝塚太一撮影(一部画像を加工しています)

 ヒグマやツキノワグマに人が襲われるケースが全国で相次いでいる。環境省によると、2023年度は全国でクマによる人身被害が198件、襲われた人数が計219人に上り、統計のある06年度以降で最多となった。

 クマの生態に詳しい北海道大大学院獣医学研究院の坪田敏男教授(63)=野生動物学=は「山に入るということは、クマの生息域に入るということ。この心構えをまず持ってほしい」と強調した上で、「『クマに遭遇したら』というよりも、遭遇しないための予防策が大事」と指摘する。

坪田敏男教授=札幌市北区で2023年6月15日午前11時17分、真貝恒平撮影

 坪田教授によると、クマは元来、警戒心が強い。山ではなるべく1人で歩くことを避け、複数で会話をしながら鈴を鳴らすことで、人間の存在を知らせることができるという。

 それでももし、遭遇してしまった場合にはどうしたらいいのか。坪田教授は「個体の性格にもよるが、決して走って逃げたりせず、大声を出したりしないで。遭遇した場合に備え、撃退用のクマスプレーを携帯してほしい」と呼びかけている。【真貝恒平】

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