学校給食無償化の実態把握のため行われた国の調査で、公立学校の給食費の月額平均額が、都道府県によって1.4倍、金額にして1000円以上差があることがわかった。

文部科学省は学校給食を提供している国公私立の小中学校などを対象に、2023年5月時点の給食費などを調査した。主食とおかず、牛乳で構成される完全給食を提供している国公私立の小学校は98.8%、中学校は89.8%にのぼり過去最高となった。一方、給食費の月額平均(保護者が実際に払った額ではなく、食材費の相当金額)は、公立小学校で4688円、公立中学校で5367円となり、10年間で約12%上昇した。

給食費が高騰していることについて、文部科学省の担当者は「食材費があがっているのは基本的には物価高騰の影響と考えている」としている。また、2023年9月時点で全員を対象に給食費の無償化を行っている自治体は、1794自治体のうち547だった。

都道府県別でみると、小学校では福島県が5314円と最も高く、一番安かったのは滋賀県の3933円で1000円以上の開きがあった。中学校でも、最も高い富山県の6282円と最も安い滋賀県の4493円の間で差があり、1.4倍の差があることがわかった。

また今回の調査では、初めて完全給食を行っている公立学校で給食を食べていない子どもの数も調査した。その結果、約28万5000人の小中学生が重度のアレルギーなどにより弁当を持参したり、選択制の給食実施により給食を食べていないことがわかった。

文部科学省の担当者は「相当数いるという印象を受けた。児童生徒間の公平性や、都道府県での給食費の違いを含め、無償化を考えるにあたって国と自治体でどう役割分担をしていくか課題の整理をしていきたい」としている。

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