梅雨入り前の厳しい暑さが続く中、今年はその梅雨入りがかなり遅れています。5月からの降水量も少なくなっている中、季節の花・アジサイで有名な松江市の寺では、草木を潤す雨を待ち望んでいます。

村上遥アナウンサー:
青空が広がり夏のような暑さの中、松江市の月照寺では、アジサイが見頃を迎えています。

ここ月照寺では、あわせて3万株のアジサイが植えられ、毎年境内を訪れた人をさまざまな彩りで出迎えています。ただ今週のような晴れ続きの天気を素直には喜べないようです。

観光客:
すごい暑くて(アジサイが)かわいそう雨が降った方が良い。アジサイも生き生きして。

5月から6月初めにかけて雨が少なかったことから、開花は例年より1週間ほど遅くなりました。乾燥や暑さに弱いため、今後の咲き具合にも気をもんでいます。

月照寺・板垣秀治さん:
雨があると元気よく花が開いてくれるので、雨を期待している。

月照寺では、これから梅雨らしく雨が降ってくれれば、7月上旬まで見頃が続きそうだと話しています。

その梅雨入りのタイミングはいつになるのか・・・。山陰地方の平年日は、6月6日頃ですが、2024年は平年日から1週間が経つ13日の時点でも梅雨入りの気配さえありません。梅雨入りが遅くなると、この時期の雨の量はどうなるのでしょうか?

山根収気象予報士:
山陰地方で最も梅雨入りが遅かったのは、5年前2019年の6月26日でした。また2017年も平年に比べてかなり遅い6月20日頃でした。今年は13日の時点で梅雨入りしていませんので、2017年、2019年と同じく、気象台が定義する「かなり遅い」タイミングとなるのが確実です。平年日の基準となる過去30年のデータの中で、「かなり遅い」タイミングになったのは、2007年も加えて3回のみです。
ただ梅雨入りが遅くなったからといって、梅雨明けが遅くなるとか、梅雨の時期全体の雨量が減るとか増えるとかの明確な相関関係はありません。
2019年の時も最も梅雨入りが遅れましたが、ほぼ平年並みの雨量となりました。

ここで最も警戒しなければならないのが、「短期集中型」の雨の降り方です。
13日に発表された1カ月予報では、7月中旬までに予想される降水量が、「平年並み」または「多くなる」確率が高くなっています。仮に、梅雨の期間は短いのに、降る雨の量が平年並みまたはそれ以上ということは、短い期間に集中的に降る恐れがあるということです。2023年や2021年は、ともに7月上旬に記録的な豪雨となり、大きな被害が出ました。
梅雨入りのタイミングは遅くても、大雨への備えは早め早めにお願いします。

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