岡山駅と出雲市駅(島根県)を結ぶJR西日本の特急「やくも」で、国鉄から引き継がれた特急電車(381系)が6月14、15日に定期運行を終える。沿線にある鳥取県日南町のJR伯備(はくび)線生山(しょうやま)駅近くのレンタカー店が国鉄型の引退を惜しみ、3種類ある車両カラーのうち「緑やくも色」をモチーフに軽自動車をラッピングし、貸し出している。ヘッドマークまで描き、鉄道ファンからも好評だ。

  • ついに定期運行終了! 最後の国鉄型特急電車381系「やくも」

 国鉄時代の特急電車が定期運行されているのは全国で「やくも」のみ。円滑にカーブを高速走行できるよう、振り子式が導入されているのが特徴だ。

 273系新型車両の導入に伴い、歴代カラーの381系「緑やくも色」は14日岡山駅午後4時13分発、「国鉄色やくも」は14日岡山駅午後7時13分発、「ゆったりやくも色」は翌15日岡山駅午前7時5分発、それぞれ定期運行の最終を迎える。

 レンタカー店の名前は「オッサンレンタカー」。給油所と併設して店を手がける前田(まえた)石油店の前田浩史社長(59)が、日南町への観光誘致を目的に、緑やくも色のレンタカーを企画し、JR西日本の許可を得てつくった。前田社長は「生山駅は山陰の玄関口。山陰観光に、『ミニ緑やくも』を使ってもらえれば」と話す。

 元々、前田社長は鉄道ファンで、鉄道模型も大好き。リアルさにもこだわりたく、レンタカーのラッピングを、JR西日本のグループ会社で、鉄道車両の整備・製造などを行う後藤工業(本社・鳥取県米子市)に依頼した。車体には、「いいおっさん」の思いも重ね、「クモハ381―1103」と番号を書き入れ、後部に連結器も描いた。

 4月7日からレンタルを始めた。客から「良く出来ている」「かわいい」といわれて、うれしい。レンタカーは、緑やくも色の定期運行終了後も貸し続けるという。

 前田社長は「やくも新型車両の登場で、沿線は盛り上がっている。緑やくも色など歴代カラーの列車には、ありがとう、お疲れさま、と感謝したい。レンタカーで、緑やくも色の記憶もつなぎたい」と語る。

 車は定員4人。1日1台限定。利用時間は午前7時~午後7時で、時間にかかわらずレンタル料金は一律4400円。申し込みはJR西日本観光ナビ「tabiwa by WESTER」で。問い合わせはオッサンレンタカー(0859・77・1103)へ。(村瀬成幸)

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