たわわに実った稲穂=さいたま市緑区で2023年9月5日、宮間俊樹撮影

 新潟大農学部の山崎将紀教授(作物学)は10日、暑さに強いコメの新品種開発や栽培方法を研究するための資金を、クラウドファンディング(CF)で募ると発表した。目標金額は300万円で、CFサイト「レディーフォー」で8月8日まで受け付ける。山崎教授は「きれいなコメを作ることで、生産者の収入増に貢献したい」と説明した。

 2023年8月の新潟市内の平均気温は30・6度で全国トップを記録。日照時間は全国最長で降水もほとんどないという「災害級」の異常気象に見舞われた。このためコメの生産や品質に大きく影響し、最も品質の良い「1等米」の比率は県産コシヒカリで4・7%と過去最低を更新。24年夏も高温が予想されることから対策が急務となっている。

暑さに強いコメの新品種開発に向けたクラウドファンディングの実施を発表する新潟大の山崎将紀教授=新潟市西区で2024年6月10日午後1時34分、神崎修一撮影

 集まった資金は、高温に強い新品種の選抜に活用する。約3500種類から高温耐性を持ったものを発見しており、うまく栽培できるか研究を進めながら新品種登録を目指す。また肥料の活用による栽培方法の研究も進める。猛暑でイネが栄養不足に陥らないよう、適切な時期に肥料を追加することや、高温に強くなる化学薬品も併用する技術も確立したい考えだ。【神崎修一】

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