兵庫県姫路市の清元秀泰市長は17日、姫路市内で記者会見し、世界遺産・姫路城(姫路市)の入城料について、外国人観光客を対象にした値上げを検討していると表明した。江戸時代の築造時から残る木造の天守をオーバーツーリズムから守る対策や城全体の長期的な保存・修理の費用に充てたいとしている。
姫路城の入城料は現在、18歳以上1000円(小学生~高校生300円)。清元市長は同市で開催中の国際会議「防災グローバルフォーラム」の一環で16日にあったシンポジウムで、城を保存するための経費が増大しているとして「外国人観光客は30ドルくらい、市民は5ドルくらい」と価格差をつけることに言及した。
清元市長は記者会見で「具体的な為替レートを踏まえた数字ではない。適正な価格は今後、さまざまな経費の積算と併せて検討するが、外国人観光客に負担を求めることは海外では常識だ。一方で姫路城を日常的な感覚で訪れたり、美化活動をしたりしている市民への値上げは避けたい」と意図を説明した。
姫路城の入城料は、「平成の大修理」を終えた2015年、修理開始前の600円から現行の1000円に値上げされた。
姫路城管理事務所のまとめによると、姫路城の2023年度の入城者は前年比5割増の約148万人で、コロナ禍前のレベルに回復。うち外国人観光客は3割超の約45万人で過去最高だった。ただし、外国語のパンフレットを受け取った人の数を外国人とカウントしており、正確な人数は把握できていない。【村元展也】
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