少子化が進む中、今後の新潟県立高校のあり方を考える有識者会議が開かれ、農業や工業など複数の専門高校を統合した「産業高校」を設置する骨子案が了承されました。

県によりますと、今年4月に発表された人口統計からの計算で、中学校の卒業者数は今年春、1万8000人以上でしたが、10年後には約4400人減少。

このまま県立高校の統合を行わず学級を減らすことで対応した場合、10年後の募集学級の平均は2.6学級となると見込まれています。

【県教育委員会 小川正樹 教育次長】
「県教育委員会としては、高校教育の維持・向上を図っていく上で危機的な状況であることを認識している」

6月17日に開かれた有識者会議では、県が県立高校の将来構想を提示。この中で示されたのが、「産業高校」の設置です。

産業高校は農業・工業・商業家庭・水産といった複数の専門学科を持つ高校を統合したもので、生徒は自分の専門科目以外も学ぶことができるとしています。

【千葉大学 教育学部 貞廣斎子 教授】
「既存の教科課程にはないような、オーバーラップするようなカリキュラムをどのように新潟県モデルとしてつくっていけるかというところが重要」

【新潟経済同友会教育問題委員会 坂爪豪 副委員長】
「高校のときにしっかりと自分のやりたいこと、やるべき道に進めるところ(指導)を羅針盤ではないが、やってあげる、やれる学校がいい」

将来構想はこのほか、従来の定時制・通信制の垣根を越えた「セルフデザインハイスクール」の設置を掲げています。

また、学校の規模や配置については、県内6つのエリアに1学年4学級以上の普通科高校を1校以上置くことなどを想定。

地理的な条件などからあえて存続させる小規模校もあり得るとしています。

この日の会議で了承された骨子案を基に、今後、県が素案をつくって検討を重ね、来年3月には将来構想として策定される予定です。

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