長野県内でクマの目撃や人身被害が相次ぐ中、県は出没の恐れのある場所で集中点検を行っています。18日は実際に人身被害が起きた高山村の現場を見て回りました。クマが隠れやすい、やぶが多いことから土地の所有者に刈り取るよう求めていくことにしています。

県内で相次ぐクマの出没。5月は全県で106件、平年の1.8倍となりました。また、6月に入り人身被害が4件発生し、県は全県に「出没注意報」を発令しています。

こうした状況を受け県は専門家に依頼し出没の恐れのある場所を集中的に点検しています。

18日の現場は高山村。この場所では6月8日午前4時半ごろ、配達員の女性が背後から現れたクマに手首をかまれ大けがをしました。県道沿いで周辺には住宅も多く、村も檻を設置するなど対策していますがその後、情報はなく発見には至っていません。

点検ではクマが身を潜めやすいやぶの状況や、引き寄せる原因となる生ごみがあるかなどを調べました。

クマ対策員・岸元良輔さん:
「しばらくやぶに潜んで、夜が明ける前に山に戻っていくパターンがある」

点検の結果、この現場では生ごみなどはありませんでしたが、やぶが多いことが分かりました。今後、土地所有者にやぶの刈り取りなどを求めることにしています。

クマ対策員・岸元良輔さん:
「やぶがあるようだったらできるだけ刈り取って、少し見通しをよくすることによってクマが隠れることを避けるというような、そういうことにつながるため人身事故のリスクも下げられるかな」

集中点検は、7月12日まで県内全域で行います。

それでは改めてクマの対策です。まず、遭遇しないために山林に入る際は音の出るものを携帯すること、出没しやすい明け方や夕暮れ時は山林への立ち入りを控えること。

次に、クマと出会ってしまった場合は、大声を出さずゆっくりその場を離れること。背中を見せて逃げることは追いかけてくる習性があるため絶対にやめてください。

そして、18日の点検でもお伝えしましたが、人里にひきつけないためクマが隠れやすいやぶなどを刈り取ること、食べ物や生ごみは外に放置しないことが重要です。

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