人手不足が深刻な介護業界での外国人材の受け入れ拡大について、厚生労働省の検討会は19日、一定の要件を満たせば技能実習など三つの在留資格にも訪問介護への従事を認める方針を決めた。厚労省は関係規則の改正に着手し、早ければ2025年度にも受け入れが始まる見通し。
新たに訪問介護への従事が認められる在留資格は、経済連携協定(EPA)に基づき来日した介護福祉士候補者▽技能実習▽特定技能。これまで、介護福祉士の資格を持つEPA締結国出身者と在留資格「介護」のみで認めていた。
検討会がまとめた報告書では、サービスの質を確保するために外国人材を受け入れる事業者に求める順守事項を示した。責任者が一定期間現場に同行して指導するほか、資格取得などに向けた計画やハラスメント対応マニュアルの作成などが受け入れの条件となる。また、訪問先の選定時にはコミュニケーション能力や介護技術を考慮し、利用者や家族に丁寧に説明することも求める。
一部の専門家からは、訪問介護事業は小規模事業者が多いため、順守事項の実効性を懸念する声も出た。検討会は厚労省に受け入れあっせん機関による事業者への巡回訪問や、第三者による母国語の相談窓口の設置など、外国人材が安心して働ける環境整備を求めた。【肥沼直寛】
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