札幌市が実施する高齢者向け配食サービス事業で、配達時の安否確認を怠ったことで、室内で倒れていた利用者の発見が遅れていたことがわかりました。

 サービスを利用していた80代の女性はその後、死亡が確認されました。

 札幌市は謝罪するとともに再発防止に向けた取り組みを強化するとしています。

 札幌市によりますと、サービスを利用していたのは80代の女性で、6月7日(金)に食事の配達員が訪問した際、応答がないため、ドアノブに食事をかけておいたということです。

 翌6月8日(土)に訪れた際も応答がなく、ドアノブに前日の食事がかかったままでしたが、配達員は食事を回収し、新しい食事をおいて、そのまま退去したということです。

 その後、女性の家族が自宅を訪れ、室内で倒れている女性を発見。死亡が確認されました。

 札幌市の高齢者配食サービスは、利用者に1日1食の夕食を自宅に届けるとともに、安否確認を行うことを目的としていて、健康状態に異常があった場合は関係機関へ連絡を行うことになっています。

 今回利用者の応答がないにも関わらず連絡しなかったことについて札幌市は、配食を行った店舗責任者が、後に家族が女性宅を訪問することから特段の対応は不要と判断したためとしています。

 また、こうした事態が起きた場合、通常は「緊急対応報告書」などを速やかに作成し札幌市に提出すべきところを、運営事業者はそれを怠り、遺族が区役所に相談したことで初めて札幌市が把握しました。運営事業者は「必要なことはわかっていたけどしなかった」と話しているということです。

 今回の事態を受け札幌市は、不適切な対応だったとして家族に謝罪するとともに、すべての配食委託先に対し配食時の安否確認および安否確認ができない場合の緊急連絡の徹底を指示しました。

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