岐阜県各務原市の「各務野自然遺産の森」で見つかった珍しいクモ「ツシマトリノフンダマシ」(川上紳一・岐阜聖徳学園大教授提供)

 報告例が非常に少ない珍種クモ「ツシマトリノフンダマシ」が、岐阜県各務原市の「各務野自然遺産の森」で見つかった。テントウムシのような美しい模様のクモで、岐阜県内では初報告の可能性が高い。

 自然遺産の森で5月19日に同市の自然学習講座「おもしろ昆虫楽習」が開かれ、参加者らが昆虫観察をしていたところ、北部にある芝生広場「くもの丘」に植わるヒトツバタゴ近くの草むらで、親子が見たこともないクモを見つけた。体長8ミリで、赤い体に黒い点があるテントウムシのような模様をしていた。

 講師を務めた岐阜聖徳学園大の川上紳一教授(地球惑星科学)が撮影して調べたところ、ツシマトリノフンダマシと判明した。このクモは1955年に対馬列島で発見。関東以西に生息しているが、各都道府県での報告例は多くても数例しかない。岐阜県内での報告例を探したが、確認できなかったという。

 川上教授は「日中は葉の裏に隠れているので見つかりにくいが、注意して探せば岐阜県内でも発見例が増えるのではないか」と話す。【荒川基従】

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