若手職員が立場を逆転させて幹部職員にアドバイスや指導をするユニークな人材育成の取り組みが静岡県警察本部でおこなわれました。どんな効果が期待されているのでしょうか。

静岡県警の担当者:
まずは幹部職員が知識のある若手から教わることでその知識や能力を向上させて、組織全体のデジタルデバイド(情報格差)を解消していくという趣旨で、目的の1つとして設定しております

若手が幹部にアドバイスをするというこの人材育成方法は「リバースメンタリング」と呼ばれています。

知識の共有だけでなく、若手の指導力向上やコミュニケーションの活性化が期待されています。

県警察本部は2023年からこの取り組みをはじめ、若手職員と幹部職員あわせて36人が参加しました。

この日のテーマは「デジタル」。

幹部職員は「生成AI」や「電子決済」などについて普段 感じている疑問を若手職員にたずねていました。

幹部職員:
私生活でみなさんは生成AIを使っているんですか?

若手職員:
使ってないです

幹部職員:
これが警察業務に今後どんな風に使えるのか、思いつくところがあるのかなと思って

若手職員:
現場とかでも携帯の翻訳アプリを使いながら

幹部職員:
使える?あれ

若手職員:
メチャクチャ使えます。照会でパソコンで企業に送る時も、全部英語でしか対応してない企業もけっこうあって、それをグーグル翻訳で写真を撮って翻訳してもらいながら、自分で日本語で作ってそれを翻訳して英語化して、それを打ち込んだことがあるんですけれども、向こう(企業)の担当から日本語で電話が来て

翻訳アプリの活用方法やペイペイなどの決済アプリを使ったポイントの投資など、乏しかった情報を若手職員から教わった幹部職員たち。

50代 幹部職員:
本当に和やかな雰囲気で、自分が普段の生活でデジタルをどういう風に活用しているかということを聞きまして、自分もやってみようと思いました

30代 若手職員:
デジタルのことだとかわかりづらいところもあると思うので、噛み砕いて実際に携帯電話を示しながらわかりやすいように伝えるように意識しました

静岡県警は今後さらにこの取り組みを広げ、将来的にはそれぞれの警察署での開催を目指しています。

今回の人材育成法「リバースメンタリング」の効果とは。

若手の知識を組織の成長に活用できること、そして若手が自分の価値を認められたと感じモチベーションのアップにつながること、さらにこの世代間の交流によってコミュニケーションの活性化が期待されています。

静岡県警はこの取り組みを今後も開催していく予定です。

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