福岡県宮若市の塩川秀敏市長(75)が、市職員にハラスメント行為を繰り返していたとされる問題で、市議会の調査特別委員会(百条委員会)は、職員から寄せられた情報のうち8件をパワーハラスメントやセクシュアルハラスメントとして事実認定する調査報告書をまとめ、20日、神谷喜久雄委員長が市議会で報告した。報告は賛成多数で可決された。
報告書は、塩川市長が机をバンバンたたきながら大声で職員を叱責(しっせき)したことや、忌引で3日間休んだ職員に「忙しい時期に休暇とは何事じゃ」と言ったことなど7件の行為をパワハラと認定。また、女性職員に子どもがいるかどうかや年齢を尋ね、出産について「普通か? 切った(帝王切開)か?」と発言したことを、セクハラと認めた。
こうした事実をふまえて「職員との信頼関係に関わらず許されないものであり、職員の人権に対する配慮も足りず、市長として不適切な行為」と指摘した。さらに、塩川市長に対し「この調査結果を重く受け止め、身の処し方、今後の行動については、改めてご自身で考えるべきである」と迫った。
百条委は昨年12月に設置され計11回開催。塩川市長への証人尋問では、市長がハラスメント行為を認め、謝罪した。
塩川市長は議会閉会後に記者会見し、職員に「不適切な言葉を言った」として謝罪したうえで、「働きやすい職場環境をつくることが一番厳しい反省になる」と述べ、改めて辞任を否定した。(岩田誠司)
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