高知大学が国内で初めて半導体レーザーを使ったぼうこうがんの治療を行っています。将来的に日帰りで手術できる可能性があります。
川辺世里奈アナ
「高知大学で”がんを蒸発させる”治療が行われているそうです。どんな治療なんでしょう?行ってみます」
南国市岡豊町の高知大学医学部附属病院は2024年2月、ぼうこうがんに半導体レーザーを照射する最新の手術を国内で初めて成功させています。泌尿器科の福原秀雄助教は2024年2月から4人の患者に手術を行いました。
ぼうこうがんは血尿や排尿時に痛みを伴う症状があり、喫煙者や60歳以上の男性に多いといわれる病気です。これまでは内視鏡を使い、がんを電気メスで削り取る手術が一般的でしたが、周辺が傷ついて出血したり、ぼうこうに穴が開いたりするリスクがありました。
一方、最新技術は電子メスの代わりにレーザーでがん細胞を焼いて消す「蒸散」を行います。同時に傷口が焼き固められるため、止血の必要はありません。手術は従来より10分ほど短い20分~30分で終了。これまでは術後、3日から5日の入院が必要でしたが、止血の時間がいらないため2日で退院できます。
福原助教によりますとぼうこうがんは、3人に2人が再発する病気ですが、最新技術では再発リスクを8%抑えられるといいます。
高知大学医学部泌尿器科 福原秀雄 助教
「レーザー治療を受けることでより負担とか不安が取り除けるような形で医療を提供できるのではないかと期待しています」
レーザー治療の対象は、ヨーロッパのガイドラインで有効性が認められている早期のぼうこうがんが”再発”した人に限られています。
現在は安全のため全身麻酔を行っていますが、福原助教は2025年度以降、海外の例に習い、麻酔を使わず日帰りでの手術を可能にしたいとしています。
福原助教によりますと、半導体レーザーを使った治療法は、胃や肺にも応用できるため、将来的に他の臓器の治療に使われる可能性があるそうです。
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