介護施設の利用者が店に行かずにドラッグストアの商品を買うことができる新たなサービスが福岡市でスタートしました。

福岡市南区に本社がある新生堂薬局が24日に始めた介護施設への訪問販売サービス。

施設を利用する人たちが次々と商品に手を伸ばします。

◆施設の利用者(92)
「スーパーをウロウロしてまわったような感じになる」

朝8時、新生堂薬局のスタッフが訪問販売用の商品を車に積みこみます。

◆新生堂薬局 長島広部長
「ある程度の要望はわかっているので、売れそうなやつを積んでます」

新生堂薬局が社会貢献の一環で始めたこの取り組み。

ほとんどはパンやお菓子といった食料品と生活必需品です。

◆新生堂薬局 長島広部長
「ようやく1年以上かけてここにたどり着いた。お買い物のニーズに応えられればいいなと思います」

ドラッグストアが介護施設を対象に訪問販売を行うことは珍しく、社内でも大きな期待が寄せられています。

◆新生堂薬局 水田怜社長
「(介護施設の)入居者様と職員の方に、笑顔になっていただきたい。日本中にこういった活動が広がっていくと、高齢化の中でとてもいい環境になると思う」

訪問先は南区を中心とした約30の施設。

まずやってきたのは、9人が入居する老人ホーム「ももんかわ」です。

販売を始めるとすぐに入居者たちが集まってきました。

入居者にとっては久しぶりの買い物。

自分の手で直接商品を選ぶのも楽しみの一つです。

◆施設の入居者(92)
「ミックスゼリーを買った。ゼリーおいしいからね。スーパーをウロウロしてまわったような感じになる」

◆施設のスタッフ
「なかなか外に出る機会がないので、皆さんにはいい刺激になると思います」

売れゆきは上々で、今後は利用者の要望も反映していく方針です。

◆新生堂薬局 長島広部長
「『マンハッタン』(菓子パン)が食べたいとか想像していないような物も頼まれた。次回持ってきてお買い物のお悩みを少しでも和らげられるような活動をしたい」

新生堂薬局では今後も週に1回、訪問販売を行う予定です。

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