栃木県茂木町と茨城県筑西市を結ぶ真岡鉄道(栃木県真岡市)の運転士が4月、呼気検査で基準値超のアルコールが検出されたのに観光列車「SLもおか」を運転した問題で、同社は24日、運転士ら5人を懲戒処分にすると発表した。運転士は洗口液によりアルコールが検出されたと訴え、酒気帯び運転を否定しているというが、同社は「酒気を帯びて運転した可能性があると考えられる」とした。

 処分は25日付の予定。運転士は50代で停職1カ月で、課長補佐から主任に3階級降格する。運転業務からも外す。検査に立ち会い、3回目の検査をしなかったのに、実施してアルコールが検出されなかったと虚偽の記録記載をした指令は、減給1カ月とした。このほか事業部長や専務ら3人の管理監督責任を問い、減給や訓戒などとした。

 同社は7月半ばまで、同様の事例がなかったか、ほかの21人の運転士全員から聞き取り調査をする。同種の事案が発覚した場合、「その都度、関東運輸局の指示をあおぎながら対応していく」としている。

 再発防止策としては、検査は3人以上で実施▽乗務12時間前から飲酒禁止▽顔写真や日時などを記録できる検査器の導入――などを挙げた。

 社長でもある真岡市の石坂真一市長はこの日の株主総会後、取材に「利用者、沿線住民などの皆様に心からおわびを申し上げる。公共交通機関として、安全を最優先にしなければならない。今後、このようなことが起こらない体制づくりに取り組む」と述べた。(津布楽洋一)

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