急上昇ニュースのコーナーです。今回は岡山県内で目撃が相次ぐツキノワグマについて、長尾アナウンサーがお伝えします。

(長尾龍希アナウンサー)
「まずは6月12日に撮影された映像をご覧ください。山の斜面で1頭のクマが落ち着かない様子で頭を動かしています」

(岸下恵介キャスター)
「何かを探しているのか、少し興奮しているようにも見えますね」

(長尾龍希アナウンサー)
「よく見てみると、後ろ足にひものようなものがついていてクマが引っ張られています」

(中塚美緒キャスター)
「これは、わなにかかっているんですかね」

(長尾龍希アナウンサー)
「イノシシ・シカ用のワナにかかったオスのツキノワグマです。体長は1メートル40センチほどで、この後、麻酔銃で眠らせて山に放されました。

(岸下恵介キャスター)
「山も広いと思うんですけど、どのあたりで撮影されたのでしょうか?」

(長尾龍希アナウンサー)
「撮影した人の自宅から400メートルほどしか離れていない山のふもと付近で撮影されました。2024年は、こうした人里から近い場所での出没の報告が相次いでいます。岡山県のデータでは毎年6月から11月にかけて増える傾向にありますが、県内では2024年度に32件、6月だけで16件が目撃され、登山客がケガをする事案も発生しました。この時期にツキノワグマの目撃が増える背景と対策を取材しました」

6月12日午前9時ごろ、津山市内の山のふもとで撮影されたツキノワグマ。動画を撮影した津山市から鳥獣被害対策の委託を受けている神田直人さん(53)に現場を案内してもらいました。

「この辺です」
捕獲場所の周辺にはツキノワグマが抵抗して草や木が倒された跡がありました。

さらにこんな痕跡も。

(長尾龍希アナウンサー)
「6月12日に捕獲されたツキノワグマはちょうどあちらの木の辺りのわなにかかっていたということです。ツキノワグマが逃げようとした跡でしょうか。木の皮が剥がれているのが分かります」

(津山市鳥獣被害対策実施隊 神田直人さん)
「ここへクマが上がろうとして、向こうへ回って上へあがってきたんです」
(長尾龍希アナウンサー)
「木を抱きかかえるようにして」

木には鋭い爪の跡がびっしりと残っていました。神田さんはワナにかかったツキノワグマを発見した時、かなり驚いたと言います。

(津山市鳥獣被害対策実施隊 神田直人さん)
「見るのは2回目だが、自分で捕るとは思わなかったのでびっくり。役所に早く報告しなくてはと思い、報告しに戻った」

6月8日には県内では6年ぶりに人への被害も出ています。津山市で登山をしていた岡山市の50代男性がツキノワグマと遭遇。右腕を噛まれ軽いけがをしました。周辺では不安の声も上がっています。

(現地の人は…)
「毎朝歩いているが何回かクマの足跡があると(県民局に)報告している」
「中学生がいるので朝方や通学の時にもし出くわしたら怖いと心配している」
「夜でもシカがいつも鳴いているが、急に鳴かなくなったらクマがその辺にいるのではと気配を感じることはある」

人里近い場所での目撃が相次ぐツキノワグマ。毎年6月から7月にかけては特に注意が必要です。

(岡山県自然環境課 近藤利信課長)
「6月から7月と言われているが、繁殖期に入っている。オスのクマがメスのクマを求めて盛んに行動する時期に入っているので、その結果として目撃情報が多く寄せられる」

クマが山を下る理由の一つとして、山中にあるクマの食料が不足していることなどが考えられ、今後、人や農作物へさらに被害を及ぼす可能性も。

一方で、ツキノワグマは中国地方東部では絶滅のおそれがあるとされていて、保護する必要もあり、対策は急務です。

県はツキノワグマが出没しやすい地域を3つのエリアに分けて対策しています。人の生活圏では、生ごみを外に放置しないなど、その周辺の緩衝地帯ではわなを設置したり、花火で音を出すなどクマを追い払う対策。そしてクマの生息域では保護活動を行い、人とクマのすみ分けを図っています。

(岡山県自然環境課 近藤利信課長)
「市町村と県、警察などの関係機関が一緒になってクマに対策を打ち、県民の皆さんに安全に生活してもらう」

今後、県内でさらに目撃が増える可能性も指摘されているツキノワグマ。被害に遭わないためにもしっかり対策を行う必要がありそうです。

(中塚美緒キャスター)
「全国的にクマに襲われたというニュースをよく目にするんですが、だんだん、人とクマとの境界線というか、住み分けが薄まっているのかなと感じ、かなり怖いですね」
(岸下恵介キャスター)
「山奥ではなくて、人里に近い場所で目撃情報が相次いでいるということで、改めて本当に怖さを感じます」

(長尾龍希アナウンサー)
「これから登山シーズンで山に入る人も増えるかと思います。万が一クマに遭遇した時の対処法をまとめました」

まずクマと距離がある場合は決して背中を見せずにゆっくりと後ずさりしてください。クマは背中を見せると本能的に追いかける習性があります。クマとの距離がない場合はその場にうずくまって手で頭や首を覆い隠すようにしてください。
(中塚美緒キャスター)
「露出している部分を隠す」
(岸下恵介キャスター)
「クマに遭わないようにすることも大切ですよね」

(長尾龍希アナウンサー)
「津山市内で撮影されたクマの足跡です。一般的に大きさは成人男性のこぶしぐらいと言われていて、短い五本指が特徴です。このような足跡が見つかった時は、クマが近くにいる可能性があるため、速やかにその場を離れるようにしましょう。クマに遭遇しないためにはクマよけの鈴を着け、ラジオやブザーなどで音を出しながら歩くことが効果的です。クマは耳が良く臆病な性格のため、こちらの存在をアピールしておくと向こうから逃げていくと言われています。人とクマ、お互いの安全のためにもこれからの季節、対策を心掛けることが必要です」

以上、急上昇ニュースでした。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。