博多-由布院 8月18日まで
今夏に運行10年目になるJR九州の観光列車「或(あ)る列車」が8月18日までの夏季特別運行を始めた。博多(福岡)―由布院(大分)を約3時間で結ぶ旅を、より多くの人たちに体験してもらおうと、乗車できる年齢を10歳以上から7歳以上にし、旅行代金も引き下げた。【下原知広】
「季節の景色や料理楽しんで」
或る列車は、JR九州の前身、九州鉄道が1906(明治39)年に米国・ブリル社に発注後、九州鉄道の国有化で活躍機会のなかった「九州鉄道ブリル客車」をモデルにしている。当時日本で最も豪華な設備の“幻の豪華客車”とされる。
世界的な鉄道模型製作者で収集家、原信太郎さん(故人)の模型を基に、JR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」を手掛けた水戸岡鋭治さんが、原鉄道模型博物館(横浜市)の協力を得て設計した。
2両編成の外観は金と黒を基調に唐草模様であしらい、テーブル席や個室を備える車内は、福岡県の伝統工芸「大川組子」などで装飾されている。2015年8月に大分―日田(大分)間で運行を開始。21年11月から博多―由布院間を約3時間で結ぶルートになり1日1往復している。
夏季特別運行では鹿児島県産の和牛、夏野菜のピクルスを使ったカレー、宮崎県産のマンゴーを使ったデザート、福岡県の八女茶を使ったもなかを提供する。メニューは東京都港区の有名レストラン「NARISAWA」のオーナーシェフ、成沢由浩さんが監修する。
他に焼き菓子とキーホルダーのプレゼントもある。列車の企画運営をする渡辺祐一さん(39)は「今しか見られない景色や、旬の食材を使った料理を召し上がって」と話す。旅行代金は大人1人2万5000~3万7000円、小学生は2万円。
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