秋田県では、子どもを中心にアデノウイルスや溶連菌などによる感染症の患者が多く発生している。
6月17~23日までの溶連菌感染症の患者数は、県全体で1医療機関当たり2.18人。子どもを中心に感染が見られ、大仙保健所管内には警報が出されている。
また、咽頭結膜熱、いわゆるアデノウイルス感染症の感染も広がっていて、秋田市の教育・保育施設では集団感染が確認された。秋田市と大仙保健所管内に警報が発表されている。
このように県内では、本格的な夏を前に、主に幼い子どもがかかる感染症が増加している。一般的な風邪との違いやどのように対策をすべきなのか、秋田市の「ちば小児科アレルギークリニック」の千葉剛史院長に聞いた。
千葉院長によると、いまの時期は「溶連菌」や「アデノウイルス感染症」、まだ莫大には増えていないが「RSウイルス感染症」の患者もいるという。
RSウイルスは、風邪症状が出てきて、乳幼児は発症から3日目くらいからせきがひどくなるという症状がある。
アデノウイルスと溶連菌は、高熱が出て喉が痛い。せき・鼻水の症状はあまりないという特徴がある。
一般的な風邪と同じような症状が見られるが、どう見分けたらよいのだろうか。
千葉院長は「まずは周りで流行しているかどうか。周りで流行していれば、感染症を疑うことになるが、流行の情報がないと見分けるのが難しい。実際に診察をして、せきや鼻水といった風邪症状がないか、喉が赤くないかなどを見ながら判断していくことになる」と話す。
こうした感染症を防ぐためには、基本的な対策が重要だ。いずれも飛沫(ひまつ)感染・接触感染が中心になるため、うがい・手洗いが大事だという。
千葉院長は「新型コロナはだいぶ落ち着いてきているが、そこは変わらず行ってほしい。ただし、アデノウイルスに関しては、新型コロナなどと違ってアルコールで消毒をしても消えない。より入念に手洗いをして、接触・飛沫感染を防ぐことが大事」と注意を促す。
そして「溶連菌はさらに注意が必要」と指摘する。
家族内で子どもが溶連菌に感染して症状を起こす。他の家族に移してしまって子どもは治ったけれど、お母さんが溶連菌に感染する。というように、ピンポン感染が起きることがあるという。
千葉院長は「症状が繰り返し家族内で起こる場合には、一度家族全員で検査をしてみて、溶連菌が検出された場合は、同時に治療を行うことが予防するポイント」と話している。
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