特集は岸本気象予報士の体験シリーズ。今回は最盛期を迎えているアンズです。長野県内有数の産地・千曲市で収穫を体験。90歳になる地元の女性が作ってくれたアンズのジャムを使った料理も味わってきました。


一目十万本と呼ばれる千曲市森のアンズ畑。

観光客がにぎわう花の時期から2カ月半。今は青空の下、色鮮やかな実がなり、出荷の最盛期を迎えています。


6月20日―。

岸本慎太郎気象予報士:
「千曲市にやってきました。きょうはこちらにたくさんなっているアンズを採って食べたいと思います」

こちらは「あんずの里スケッチパーク」。NPO法人が運営する農園です。


岸本気象予報士:
「おはようございます」

あんずの里振興会・宮島隆俊さん:
「いらっしゃいませー」

岸本気象予報士:
「アンズの実、たくさんなってますね」

あんずの里振興会・宮島隆俊さん:
「ちょうど熟れて、大変良くなっておりますので、きょうは岸本さんにアンズの収穫をお手伝いしていただきたいと思います」

案内してくれたのはNPOの専務理事・宮島隆俊さん(73)です。
特別に収穫を体験させてもらいました。

あんずの里振興会・宮島隆俊さん:
「まずは、こういうふうに黄色くなってるもの、触ってみるとちょっと柔らかいかなと感じるが、それを採っていただくと甘いおいしいアンズが採れるかと思う」


早速、トライ―。

岸本気象予報士:
「お、簡単に採れましたね。すごい立派な実です」


収穫したのは、酸味が強く主に加工用となる「昭和」という代表的な品種。

スケッチパークでは、他に、加工に適した「信州大実」、甘く生食に向いた「甚四郎」など約10品種が栽培されています。

あんずの里振興会・宮島隆俊さん:
「どうですか?採れてます?」

岸本気象予報士:
「はい、たくさん採れてます」

あんずの里振興会・宮島隆俊さん:
「試食していただければ」

岸本気象予報士:
「生で食べていいんですか?」

あんずの里振興会・宮島隆俊さん:
「はい、けっこうですんで、ほおばってみてください」


食べ方をレクチャーしてもらう―。

あんずの里振興会・宮島隆俊さん:
「食べ方を言いますと、これをこうやりましてこうすると、きれいに取れますんで」

真ん中の「筋」に力を入れるとー。


岸本気象予報士:
「よいしょ、おいしそうですね、いただきます」
「けっこう酸味が強いですね、でもアンズのフルーティーな香りが口いっぱいに広がりますね、おいしい」


スケッチパークは「あんずの里」の原風景を残そうと、管理・運営されており、住民の力を借りて、栽培にも力を入れています。

あんずの里振興会・宮島隆俊さん:
「地域の人たちと一緒に草刈りから摘果、剪定、収穫とか、皆さんが一生懸命、協力していただけるのでこのようなアンズができると」

今年は霜の被害はなかったものの、高温の影響で2週間ほど早く成長したということです。

あんずの里振興会・宮島隆俊さん:
「『平和』が熟めば『昭和』と順々になっていたが、この天候(暑さ)のせいか、間隔がつまってきまして熟すのが早いもので今、一生懸命で(収穫を)やっております」


岸本気象予報士:
「今年、味はどうですか?」

あんずの里振興会・宮島隆俊さん:
「種類によって小ぶりなところもありますけど、この種類については、『なから』というところ」

岸本気象予報士:
「ちょっと小さいのもあるけど、味はしっかりとおいしくなってると?」

あんずの里振興会・宮島隆俊さん:
「はい、なってます」


パークではアンズの直売も行っていて、採れたてを求め県内外から客が訪れています。

岸本気象予報士:
「アンズはどのように食べる?」

千葉県から:
「ジャムと生!去年、初めて友達に送ってもらって、今年、初めてここに来て」

小諸市から:
「ほとんどジャムにするんですけど、しっかりしたのがあったらシロップ漬けにもしようかと。あっという間に時期が終わってしまうのでカレンダー見て」


収穫期間が短いアンズ。実の直売は6月いっぱいの予定です。

さて、収穫の後は料理。場所を変えて、ジャム作りに挑戦です。


教えてくれたのは調理師で、市の農産物加工研究グループの代表も務める西村安子さん。御年90歳、あんずジャムを作って60年の大ベテランです。

ジャムを作って60年・西村安子さん(90):
「大まかに刻んでください」


適当な大きさに切ったアンズに砂糖を加え、火にかけます。

ジャムを作って60年・西村安子さん(90):
「そんなに力んでやると、30分も40分もかかるから、仕上がるまでに疲れちゃうから、アンズさんと話しながら、アンズの様子見ながらかき混ぜてください」


アンズの重さに対して50%~60%の砂糖を、何回かに分けて投入。

焦げ付かないように混ぜること30分。

形をやや残したトロトロの状態になれば完成です。


出来たてを試食―。

岸本気象予報士:
「すごい!めちゃめちゃ甘いです。おいしい、これなんかパンにもいいですけど、料理に合わせてもいいと思いました」


ジャムを作って60年・西村安子さん(90):
「これが本物の味。1個食べると元気モリモリになって、アンズには何とも不思議な力がありますよ。やはり健康食、私たち自慢の郷土食です」


あんずジャムを使った料理も紹介してもらいました。

骨付きの豚肉に塩とニンニクで下味をつけて、しょうゆ、酒、あんずジャムを混ぜたタレに20分漬けます。

ジャムを作って60年・西村安子さん(90):
「あんず(ジャム)を入れることによってお肉がやわらかくなるから食べやすくなります」

弱火でじっくり焼き上げると、あんずジャムで漬けた「スペアリブ」の完成です。


他にクリームチーズやサラミにあんずジャムをかけた「カナッペ」、あんずジャムのドレッシングをかけたサラダ、ヨーグルトと牛乳、あんずジャムをシェイクした「ラッシー」の4品を作ってもらいました。


西村さん自慢のスペアリブはー。

岸本気象予報士:
「うわ、すごい、おいしいです。ニンニクとお肉とこんなにガッツリしたものでも、あんずジャムによって少しさっぱりして、酸味と甘みもちょうどいいですね。こんなに合うとは思いませんでした」


「ラッシー」もー

岸本気象予報士:
「ああ!これはやっぱり定番といいますか、ヨーグルトの酸味とあんずの甘みがすごく会います。普通にヨーグルトにかけてもいいと思いますが、こういうラッシーという飲み方もいいと思います」


ジャムを作って60年・西村安子さん(90):
「あんずジャムはずっと古くからこの地域で作ってきています。でもまた新しいものに挑戦で、私もだいぶ意識改革して、かなり皆さんに合うものをきょう作ってきたつもりです」

岸本慎太郎気象予報士:
「ラッシーからスペアリブまで本当に幅広く楽しめるなと思ったので、皆さんもぜひ思い思いにというか、何にでも合うアンズだと思いますので、それぞれの楽しみ方をしていただければいいと思いました」

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