相鉄グループは7月25日、相鉄いずみ野線ゆめが丘駅前に、大規模複合商業施設「ゆめが丘ソラトス」(横浜市泉区)をオープンする。相鉄線で最も乗降客数が少ない同駅だが、周辺では住宅開発も進み、ファミリー層の取り込みを図ることで、最下位返上となるのか。【葛西大博】
ゆめが丘駅は1999年開業。小田急江ノ島線に接続するいずみ野線湘南台駅の隣の駅だ。2022年度の1日平均の乗降客数は2227人。相鉄の全27駅で断トツの最下位である。トップの横浜駅は、桁違いの32万9228人で、26位の平沼橋駅(8294人)からも大きく水をあけられている。
ただ、最近は追い風も吹いてきた。23年3月に相鉄線と東急電鉄が直通運転する「新横浜線」が開業し、都心方面へのアクセスが向上。ゆめが丘駅から渋谷駅まで、約1時間で結ばれることになった。
そんな中、開業まで1カ月を切った「ゆめが丘ソラトス」は、約24ヘクタールに及ぶ「泉ゆめが丘地区土地区画整理事業」の目玉施設だ。延べ床面積約9万6800平方メートルの建物に、横浜市初出店(20店舗)などを含む129店舗が並ぶ。市内初出店のイタリアンレストランなど飲食店も充実している。
ソラトスは子育て世代に照準を合わせているのが特徴だ。10スクリーンを備えるシネマコンプレックス「109シネマズ」の中には、関東初となる子ども向け映画館「KIDS CINEMA」を設置。子ども連れでも楽しめるように、映画に飽きてしまった子どもが過ごせる「キッズスペース」も用意してある。屋上には、相鉄のキャラクター「そうにゃん」がモチーフの遊具を備えた約3000平方メートルの広さの「そうにゃんぱーく そらの広場にゃん」も設ける。
周辺では住宅の建設も進む。賃貸マンションが完成し、建設が進む分譲マンションなどと合わせて約700戸の住宅ができる予定で、相鉄グループでは、周辺の計画人口を約5200人と見込む。
そのような住宅街ともリンクするのが、ソラトスの売り物の一つ、日本初の自動配送ロボットの導入だ。アプリで商業施設の対象店舗の商品を注文すると、施設内ならば指定した場所に届けてくれる。段階的に配送範囲を拡大し、将来的にはエリア内の住宅まで配達することを計画する。
相鉄グループの広報担当者は「都心に直通で通えるようになり、来月にはゆめが丘ソラトスも開業します。自然豊かな場所ですので是非、相鉄線沿線に住んでいただければ」と、乗降客数アップを目指す。
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