滋賀県庁=石川貴教撮影

 滋賀県の三日月大造知事は3日の県議会一般質問で、昨年度の男性県職員の育休取得率が2020年度の約3倍だったと明らかにした。中沢啓子県議(チームしが)の質問に答えた。22年に出した「男性職員の育児休業100%宣言」が効果を生んだとみられる。【飯塚りりん】

 県は22年3月に「宣言」を表明し、育休を希望する男性県職員全員が取得できるような職場環境づくりを推進してきた。育休取得に所属長が積極的に関わることを重視し、育休の取得希望や配偶者の出産予定などを確認する「イクボス(上司)面談」を取り入れた。また、上司と相談した上で仕事の引き継ぎなどを明示した育休取得計画を作成させた。育休を取得した職員の声や職場の工夫などを情報発信し、全庁的に育休を取得しやすい環境作りにも努めている。

 県人事課によると、昨年度の育休取得率は20年度の27・6%から、77・4%まで増加した。1カ月以上の取得者は37・5%から69・5%となり、取り組みの効果が大きく表れた。

 昨年度実施された育休を取得した男性職員と各所属長との座談会では、育休を経て意識するようになったことや職場で生かせていることとして「子育てのために効率的に事務を進める意識が向上した」という意見が多く上がった。また、「子育ての大変さを経験することで、さまざまな事情を持つ人の立場を理解するようになった」という声もあった。育休を取得するために必要なことには、上司による積極的な関与▽取得しやすい雰囲気▽収入減少への不安解消▽代替職員の確保▽周囲の職員への評価や給与面でのメリット――などが挙がった。

 三日月知事は「子育てを通じて培われる考え方や多様な視点が仕事に生かされることで県民サービスの向上につながることを期待する。育休の取得促進が職場の改善や人生の幸福度を増すポジティブな動きにつながることを発信していきたい」と述べた。


県庁男性職員の育休取得率推移

       取得率  1カ月以上の取得者率

2020年度 27.6 37.5

  21年度 45.8 44.7

  22年度 64.1 60.0

  23年度 77.4 69.5

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