夏の日差し=東京都内で、米田堅持撮影

 日差しの中での運動はいつもよりしんどい――。屋外での運動が気持ちよく感じるこの季節だが、日差しがきついと疲労も増すと感じることはないだろうか。化粧品大手・コーセー(東京)は4月、実験を通じて検証した結果を発表し、日差しの有無で運動後の疲労度などに実際に違いが出ることが明らかになった。

 同社によると、実験は半袖・半ズボンを着用した男女20人に、屋内と屋外で自転車型トレーニングマシンを2時間こいでもらった。目から紫外線が入ると疲労度が高まることはすでに知られていることから、紫外線保護メガネも着用。運動前や運動直後、運動から30~180分後の一定の時間刻みで、疲労度を示す血中の活性酸素の量などを測定した。

 その結果、屋外と屋内では運動終了30分後の数値に有意差が認められた。また、回復度合いを示す別の数値も運動終了90分後に有意差が出た。日差しを浴びることにより、運動時の疲労度が高まり、回復も遅れることが分かったという。

半袖・半ズボンで日差しを浴びながら自転車型トレーニングマシンをこぐ様子=コーセー提供

 また、日焼け止めが疲労軽減につながるかどうかも調査した。日焼け止めを塗った場合の疲労感は塗らなかった場合よりも低く、疲労からの回復力にも差が出た。

 同社では「日焼け止めは美容目的だけでなく疲労軽減の面でも有効だという可能性が示された。『運動時にも日焼け止めを』という提案をしていきたい」としている。【道永竜命】

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