長崎の知られざる街の魅力を発掘し、おすすめスポットや地元グルメを県内21市町をめぐりながらシリーズで紹介する。世界で初めての取り組みという大村市の「食べるコーヒー」に注目!どんな味がするのか試食してみた。
コーヒーの実はまるでベリー!
長崎県大村市にあるレストラン「長崎スコーコーヒーパーク」。店のウリは「コーヒー」だ。
この記事の画像(13枚)敷地内には日本初となるコーヒーの観光農園があり、コーヒーの木を約200本栽培している。
ここで栽培、収穫されたコーヒー豆は上質な海外産の豆とブレンドされ、「寿古珈琲」としてレストランで提供されるのはもちろん、ギフトとしても販売されている。
コーヒーの木を育てているのは中島コーヒーの中島洋彦社長83歳。50年にわたりコーヒーに愛情を注いできた。
コーヒーの木は白い花が咲き、実をつける。緑から赤へと色づくと収穫の合図だ。木の上の方まで真っ赤に色づいた実がぎっしりなっている。取材した記者が完熟したコーヒーの実を試食してみた。
テレビ長崎・本田舞アナウンサー:フルーティー!いっぱい集めたらジュースにできそう。ベリーのようなフレッシュさでおいしい
コーヒージャムの誕生秘話
コーヒー豆になるのは実の中にある「種」の部分だ。実から種を取り除くのは手作業で行っている。
中島社長は残った果肉と皮の部分の活用を考えた。コーヒーの実は摘み取るとすぐに発酵し傷んでしまう。日持ちさせるために思いついたのが「ジャム」だった。
殻などを取り除いた果肉を水あめや砂糖、赤ワインなどと煮詰めていくとジャムの完成だ。
テレビ長崎 本田舞アナウンサー:面白い!すごく柔らかくなっているし、言われなかったら何のジャムか分からない。すごく甘みがあって、果実感は残っているがイチゴやブドウとも違う初めての味。新種のフルーツに出会った感じがする。
ちなみにコーヒーの香りはまったくしない。コーヒーと言われなかったら何のジャムかわからない、新しい出会いだ。
一部の生産者だけに許された特権
コーヒージャムは世界で初めての取り組みだという。こんなにおいしい「食べるコーヒー」はなぜ出回っていないのか。
コーヒーの実は傷みやすく、すぐに調理する必要がある。しかしコーヒーの主要生産国には設備がない。果肉と種を分ける作業も衛生管理が難しいという。「食べるコーヒー」はコーヒーの実の性質、金銭面、衛生面から見て、生産国の一部の生産者だけに許された特権なのである。
スコーコーヒーパークでは中島社長の「どうしてもコーヒーを食べてほしい、コーヒーの実の味を知ってほしい」という熱い想いが、ジャムの商品化の実現に辿り着いた。中島徳彦営業部部長は「想像できない、想像を超える味だと思うので、そのモヤモヤを楽しんでほしい」と話す。
ジャムは一度に作れるのは瓶にして35個ほどで、毎年約300個限定の希少品だ。食べた人にしか分からない不思議なおいしさ。長崎・大村の地でしか味わえない味。ぜひ、現地で体感していただきたい。
こんなまちメモ<大村市>
長崎県の中央に位置し、空の玄関口である長崎空港や、市内を南北に貫く長崎自動車道(大村インターチェンジ・木場インターチェンジ)、2022年9月23日に開業した西九州新幹線では新大村駅がある。波静かな大村湾と多良の山々に挟まれたコンパクトで平らな街で、農業や漁業、畜産業も盛ん。
(テレビ長崎)
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