新潟大学は10日、デジタル技術の活用により新たな価値を作り出す「高度情報専門人材」の育成に向け、来年度から学部や大学院の入学定員を増やすと発表しました。日本全体でIT人材の深刻な不足が予測される中、優秀な人材の輩出に繋げる考えです。

10日、新潟大学で開かれた会見。牛木辰男学長が発表したのは…

【新潟大学 牛木辰男学長】
「近年の高度情報専門人材の社会的な需要の高まりを受け、新潟大学では令和7年度から工学部、創生学部および大学院自然科学研究科の入学定員を増員します」

来年度の入学定員の増員です。

工学部の定員を5人増やし新たに女子枠を設けるほか、創生学部の定員を5人増やしDX共創コースを新設。また大学院では自然科学研究科の定員を15人を増やし、デジタル技術の活用により新たな価値を作り出す「高度情報専門人材」の育成を強化します。

背景にあるのは「2030年問題」ともいわれるIT人材の不足です。

経産省の試算では、デジタル化の加速に伴いAIやビッグデータ活用の需要が高まる一方、少子高齢化が進み2030年には最大で79万人のIT人材が不足すると予測されています。

こうした中、国は基金を創設し、高度情報専門人材を育成するため学科の新設や定員の増員などを行う大学や高専の支援を行っていて、新潟大学もこの支援を活用します。

これまでも理系だけでなく文系を含めた全ての学部でデータサイエンスを必修化するなど、人材育成の取り組みを進めてきた新潟大学。牛木学長は総合大学としてさらに文系と理系を融合し、様々な角度から社会課題の解決に繋げられる人材を輩出したいと力を込めます。

【新潟大学 牛木辰男学長】
「地元の企業などからも人材をたくさん作ってほしいと要望もあるし、国全体の施策にこたえる責務もある。情報時代に生きられる人材を作っていく」

新潟大学は今後定員の増員を反映させた来年度の入学試験の募集要項を公表します。

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