限定パッケージのブラックサンダー「アリガトサンダー」=2024年7月17日午前11時57分、植田憲尚撮影

 チョコレート菓子「ブラックサンダー」が9月で誕生30周年を迎えるのを前に、製造元の有楽製菓(東京都小平市)が、過去の販売不振時にブランド存続のきっかけになった九州の消費者や小売り事業者らに感謝を伝える企画を始めた。

 ブラックサンダーは、ココアクッキーとビスケットの具材に2種類のチョコをかけたバーの形状の菓子だ。1994年9月に発売したが、売れ行き不振のためわずか1年で販売中止に。しかし九州にはファンがいたようで、九州担当の営業マンが「絶対に売るから復活を」と取締役に直訴し、96年に販売再開が決まった。

 それ以降は、食べ応えと値ごろ感が学生に受け、大学の売店などから人気が広がり、2005年に全国販売体制が整った。更に08年北京オリンピックでは、体操で銀メダルを獲得した内村航平選手の好物がブラックサンダーと報道され、人気に火が付いたという。

限定パッケージのブラックサンダー「アリガトサンダー」の配布イベント=福岡市中央区の天神地下街で2024年7月17日午前11時15分、植田憲尚撮影

 17日には天神地下街(福岡市中央区)で、ブランド誕生30周年を迎えるにあたって制作したブラックサンダーの限定パッケージ版「アリガトサンダー」を道行く人々に配布した。有楽製菓の杉田晶洋・執行役員マーケティング部長は「過去を振り返ると、九州でのエピソードが無ければこの日を迎えられなかった。30周年を前に、まずは九州のみなさんに感謝を申し上げたかった」と話している。

 また「ブラックサンダーの恩人探し企画」も31日0時まで開催。95年にブラックサンダーが生産中止になった際、九州で復活を熱望した卸業者、小売事業者を探している。情報提供は同社の「ブラックサンダー恩人探し事務局」(onjin@contact-info.jp)。【植田憲尚】

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