女子テニス12歳以下の国内ランキング1位の小学生・山形市の奥山し渚(しな)さん。毎日欠かさず3時間以上練習するし渚んさんの将来の夢は、世界で通用するテニスプレーヤーになること。

力強いスイングと抜群のコントロール。山形市のインドアテニススクール「ベルズ」で練習に励むのは、山形市の第七小学校6年生・奥山し渚さん(11)。

テニスを始めたのは4歳の時。テニスが趣味の父親について行くうちに、自分もやってみたくなったそう。
今では平日の放課後に毎日3時間、土日は5時間以上、欠かさず練習している。

(奥山し渚さん)
「テニスをやってないと暇。やりたくなるし、決めたらうれしくなるところが好き」

こうした練習の成果が実を結び、小学4年生の時に初めて全国大会で優勝。
去年出場した全日本ジュニア選手権でもダブルスで優勝し、現在は日本テニス協会の12歳以下の国内ランキングで1位の実力を持つ選手に成長した。
スポンサー6社とも契約を結んでいる。

そんなし渚さんの普段の練習相手は、年上の中学生や高校生。
この日は、県大会での優勝経験もある中学生3年生が相手だった。

(寒河江市立陵東中学校3年・大沼希瑠さん)
「し渚さんとは最近競ったがまだ一度も勝ったことがない。小学生とは思えないくらい球が速いので、『負けられないな』と思い常に練習している」

し渚さんの最大の武器は、両手で打つ「バックハンド」。

(奥山し渚さん)
「バックハンドで相手をクロスに追い出して、浅いボールが来ときにストレートに打って決めることが多い。フォアハンドよりバックハンドの方が両手だし力が入るから」

年上の選手と対戦することが多かったし渚さんは、相手のパワーに打ち負けないよう、ボールに力が伝わりやすくコントロールもしやすい両手打ちのバックハンドの技術を磨き続けた。

(インドアテニススクール「ベルズ」・尾形圭コーチ)
「僕も打ち負けるくらいのバッグハンドの威力と精度がある。小学6年生であの威力と精度というのはかなり高いレベル」

指導している尾形コーチによると、し渚さんは大会で優勝しても試合内容に満足いかないと泣いてしまうこともあり、人一倍テニスに対し真剣に向き合っている選手だという。

そんなし渚さんの自宅には、たくさんのトロフィーが並んでいる。

(奥山し渚さん)
「50個くらい? 40? 最初はガラスケース1個だけだったけど、多くなってきたから1個増やして今はこれ」

去年は、アメリカで行われた国際大会でも優勝。先月は1カ月間のヨーロッパ遠征に参加した。
その遠征中に書いていたのが、この「テニスノート」。

(奥山し渚さん)
「ヨーロッパの時は毎日ずっと書いていたのでけっこうみっちり。自分がミスしたり調子が悪い時に見て、切り変えできるようにするために書いた」

ノートの中に「課題」として書かれているのが「フォアハンド」。

(奥山し渚さん)
「海外では高いボールを打ってきてバックハンドで攻められなかった。フォアハンドで打つしかなくなってあまり決められなかった時が多かった。フォアハンドでもっと打てるようにしようと思った」

ヨーロッパのテニスコートは、土でできた「クレーコート」が主流。人工芝が主流の日本とは材質が異なり、ボールが高く弾みやすいのが特徴。
し渚さんの最大の武器「バックハンド」は、両手で打つため力は強い一方で、リーチが短く、高く弾むコートではボールに届かず不利になる。

そこで必要なのが、片手で打ちリーチが長い「フォアハンド」。
大きな国際大会はクレーコートでの試合も多いため、今後を見据えると「フォアハンド」の強化は不可欠。

(奥山し渚さん)
「フォアは自分でも苦手意識があって、フォアを日本でもちゃんと使うようにしないとと思い、フォアで力強いボールを打てるように強化している」

(インドアテニススクール「ベルズ」・尾形圭コーチ)
「より攻撃的なテニスをしていくためにフォアハンドの強化に取り組んでいる。日本を代表して世界と戦える選手になってほしい」

将来が楽しみなし渚さんの夢は…。

(奥山し渚さん)
「将来の夢は、世界で活躍する選手になって世界のトップ10入りしたい」

山形から世界を目指す小学6年生。し渚さんの挑戦はまだ始まったばかりだ。

練習を頑張っていることに加え、ノートに自分の反省を書いて振り返ることができる。その気持ちの強さが素晴らしい。
し渚さんは、7月19日に岩手で始まる全日本ジュニア選手権の東北予選に出場する。全国優勝を目指しぜひ頑張ってほしい。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。