身寄りのない高齢者の生活支援に携わる民間事業者の増加を受け、政府は19日、「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」案を示した。利用者と事業者との間のトラブルを防ぐ狙い。来月18日まで意見を公募して正式に策定する。
19日に開かれた「孤独・孤立対策推進本部」の初会合で提示された。独居や身寄りのない高齢者をめぐっては、病院への入院や介護施設への入所時の身元保証、亡くなった後の事務手続きなどを引き受ける民間サービスが徐々に拡大。利用者と事業者の間でトラブルも発生する一方、こうした事業者を規定する法律がなく、関係機関でガイドラインづくりに向けて協議を進めてきた。
ガイドライン案では、「利用者の尊厳と自己決定を尊重」と明記。契約書を作成することや、提供したサービスの時期や内容、費用を記録して保存することなど、事業者が留意するべき事項を定めた。利用者から前払い金を預かる場合、運営資金とは明確に分けて管理することも求めた。
同本部は、今月1日に施行された孤独・孤立対策推進法に基づいて設置された。岸田文雄首相は19日の初会合で、ガイドラインなどを速やかに策定するよう指示。「誰ひとり取り残さない社会の実現に向けて協力をお願いしたい」と述べた。(高絢実)
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