JR九州は19日、普通運賃や定期運賃などを平均15%値上げする運賃改定を国に申請したと発表した。2025年4月1日の実施予定で、認可されれば消費増税を除き、1996年以来の改定となる。記者会見した古宮洋二社長は「安全確保やサービスの向上、鉄道運営のための人材確保、災害対応など今後、負担が想定される部分について、一部をお客さまに負担をいただきたい」と理解を求めた。
普通運賃は平均14・6%アップする。初乗りは現行の170円から200円と30円の値上げ。博多―小倉の普通運賃は大人片道で1310円から1510円と200円の値上げとなり、指定席特急料金を含めると1910円から2110円となる。博多―大分は指定席特急料金を含めて6470円から6910円となり、普通運賃分が440円値上げになる。
定期運賃は、通勤定期で平均30・3%、通学定期で平均16%のアップ。通勤定期は普通運賃の見直しに加えて割引率も見直すが、通学定期は家計に与える影響が大きいとして割引率は据え置いた。
新幹線特急料金は平均12・4%アップ。ただ、日常的な利用の定着を目指すとして、博多―新鳥栖など隣接した駅間や九州新幹線長崎ルート(西九州新幹線)の特急料金は据え置いた。
鉄道運賃は、人件費や設備費などの経費に適正な利益を上乗せした「総括原価」に基づいて算定される。今回は4月に見直された総括原価の算定要領に基づき、過去10年の平均的な災害復旧費を約23億円と見積もるなどして求めた。【下原知広】
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