秋田県内を襲った大雨で、にかほ市では住宅街を流れる琴浦川が氾濫し、住宅の土台部分がえぐられるなどの被害が出た。流域の住民は26日、復旧作業に追われた。

にかほ市で最も被害が大きいとされる平沢琴浦地区は、24日から降り続いた雨の影響で、住宅街を流れる市の管理河川「琴浦川」が氾濫した。26日は、橋に絡み付いた大量の流木を取り除く作業が行われていた。

 高橋朋弘記者:
「川が増水した影響からでしょうか。住宅の基礎部分がえぐられてしまっています」

琴浦地区に住む齋藤隆さんは、自宅の浸水被害は免れたが、琴浦川の近くにある実家と物置小屋が被害を受けた。

 齋藤隆さん:
「雨がずっと続いて、普段だとやむがちょっと時間が長かった。川があふれてそのまま実家と小屋の方まで水がきた」

齋藤さんが実家の前で撮影した映像では、24日から降り続いた雨の影響で、近くを流れる琴浦川が氾濫しているのが確認できる。そして、齋藤さんの実家まで水が押し寄せた。

雨が降り続き、実家が心配になって様子を見に来た齋藤さん。26日は親戚が集まり、小屋から泥まみれになったタイヤや家具などを運び出す作業に追われていた。

実家に住む母・ナリ子さんは、息子たちが片付け作業をしている様子を見て「よかった。何にもできないから助かる」と少しほっとした表情を見せていた。そして「おとといは、デイサービスから帰ってきた午後5時ごろは、川の水が少しあふれたくらいだったが、息子も来て見ているうちに、どんどん水が上がってきてびっくりした」と浸水時の様子を振り返った。

にかほ市によると、26日正午時点で、琴浦地区を中心に住宅19棟、小屋など14棟が浸水被害を受けた。

今回の大雨について齋藤さんは、「最初は普段と同じ雨の降り方かなと思っていた。そんなに時間がたたないうちに雨がやむと思っていたがやまなかった。川の上流であふれたのを見て、こっちにも来るかなと思っていたらやっぱりあふれた。初めての経験だった」と語った。

一方、県北部でも大きな被害が出た。25日夜、記録的短時間大雨情報が発表された北秋田市阿仁水無地区では、住宅の裏手の斜面が崩れ、建物の一部が宙に浮いた状態となっていた。

裏手が崩れた住宅の家主・吉田竹雄さんは「えらい雨だった。崩落に気づいたのは夜の12時、電気が消えたから。その時に電柱から何から1回で落ちたのだろう。どうしたものか…困った」と肩を落とした。

県内は30日ごろにかけて大雨となる見込みで、引き続き土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重な警戒が必要だ。

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