夏休みが始まり、長期休暇だけアルバイトを検討している学生もいるしれない。そんなアルバイト先の決め手になるものは何だろうか。

株式会社マイナビの調査では、高校生はアルバイト探しにおいてもタイパ(時間効率を重視すること、かけた時間に対するパフォーマンスのよさ)を重視する傾向あることが明らかになった。

応募後の“即レス”が決め手に

同社は今年2月に行った「マイナビ 高校生のアルバイト調査(2024年)」の中で、アルバイト就業中の15~18歳の高校1~3年生を対象に「高校生がアルバイト先を決めた要因」を聞いている。

マイナビ 高校生のアルバイト調査(2024年)
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要因で最も多かったのは「応募後にすぐに企業から連絡がきた」で40.4%。そして「応募から面接までの案内が丁寧だった(30.4%)」「時給やシフトの融通などの勤務条件について詳細を教えてくれた(29.8%)」が続いたのだ。

なお最近はSNSで探す高校生も増え、3人に1人以上がSNSからアルバイトに応募したことがあることもこの調査で分かっている。ツールとして「X(旧Twitter)」「Instagram」「LINE」「TikTok」「Facebook」などを利用しているとのことだ。

かつては求人情報誌で見つけるのが主流だったと思うが、この現在の高校生のアルバイト探しの背景には一体何があるのか、マイナビの担当者に聞いた。

高校生は大学生より“タイパ”重視?

――高校生のアルバイト先の決め手は「応募後の迅速な連絡」が最多。どのように受け止めている?

Z世代を象徴する価値観の一つである「タイムパフォーマンス(タイパ)」を意識する行動が、SNSでのアルバイト探しにおいてもみられたと思います。

闇バイトが社会的に問題になっている中で、応募の手軽さに惑わされて、安易に闇バイトに手を出さないように気を付けることが必要だと思われます。

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――“タイパ”を重視してアルバイト探しする高校生は多い?

SNSでのアルバイト探しの経験や応募経験がある割合が最も高いのは「高校生」となっています。また、学生(高校生または大学生・大学院生)のSNSでのアルバイト探しのメリットは、「すぐに求人に応募できる」「すぐに働くことができる」の順で高く、大学生に比べ高校生が顕著に高くなっています。

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――どうして「応募後の迅速な連絡」が決め手になるの?

アルバイト就業者調査(2024年)の調査で聴取している「アルバイトを探してから採用されるまでの期間」についてみると、高校生では採用されるまで「1週間未満」が半数を超えています。

アルバイト探しでもタイパを意識した行動をとる傾向にある高校生は他の属性に比べ、短期間でアルバイトに就いている様子がみられます。そのため、高校生にとって、応募後の就業までの迅速さがアルバイト先の決め手に影響していると考えております。

SNSでバイト探し…手軽さの一方で

――SNSでアルバイトを探すメリットとデメリットを教えて。

SNSでのアルバイト探しは、応募の手軽さや働き始めるまでの期間が短いことなど、効率性の観点においては、学業や部活動で忙しい学生にとってメリットがあると考えられます。

一方で、SNSは一般的な求人サイトと違い、第三者のチェックが入らず誰でも簡単に情報を掲示できることから、トラブルに巻き込まれる可能性がある部分は注意すべき点でもあります。安易な応募・就業はせず、事前にしっかりと企業や仕事の情報について確認することが重要だと考えられます。

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――「応募後の迅速な連絡」がくるアルバイト先に関して、高校生が注意すべきことはある?

応募後に迅速な連絡があるアルバイト先すべてが危険というわけではないです。

ただ、今回の調査結果からは、SNSなど第三者チェックが働かないツールを経由し、高時給であることや応募や就業の手軽さだけを重視して安易にアルバイトを決めてしまうと、自分も知らぬ間に闇バイトに手を出してしまうこともありえることを、気をつけてもらえたらと思います。

同時に、SNSは個人間でのやり取りで完結してしまうことも多いかと思うため、少しでも不安や違和感を感じたら周囲の大人に相談することも意識してもらえればと思います。

また、高校生自身だけでなく周囲の大人や教育機関も、高校生の自由は尊重しつつ、今後一層SNSの正しい知識を啓発していくことや、社会経験が少ない高校生がトラブルに巻き込まれないように、積極的にコミュニケーションを取っていくことも重要であると考えています。

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身近なツールでアルバイト探しをできる半面、その手軽さの中には闇バイトが潜んでいる可能性もある。仕事へ応募することに責任を持ち、自分でもしっかり吟味してアルバイト先を見極める必要がありそうだ。

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