特集は、夏場の山に生える「夏キノコ」です。長野市・信州新町の道の駅では今、たくさんの夏キノコが売られています。「豊作」とも言われる今シーズン。実際にキノコ採り名人と山に入ってみました。

■去年の20倍出荷!夏キノコ

次々と並べられていくキノコ。真赤なかさが特徴の「タマゴタケ」に、香りが良い「チチタケ」。そして強いうま味の「アカヤマドリ」。いずれも、この時期に生える、いわゆる「夏キノコ」です。


こちらは長野市の道の駅・信州新町。7月に入って夏キノコの販売が始まりました。

これまでの出荷は384パック。2023年の同じ時期は20パックなのでざっと20倍です。

道の駅 信州新町・小林久一さん:
「今年は非常に多い。例年だと、梅雨明け、7月25日すぎあたりから、8月初めぐらいに出るが、今年は7月10日くらいから私も採っていた。秋キノコと違い、ちょっとコクがある。コクがあって非常においしい」


■多くの客が購入

おいしいと評判の夏キノコ。

この日も多くの客が買い求めていました。

千葉から:
「珍しいキノコがあったので食べてみようかなと。ひとつはバター焼きにして、あと一つはキノコ汁みたいにしようかな」


松本で飲食店経営:
「お店をやっているので、きょうのお客さんにお出ししようかなと。すごく歯応えがあるというので、いろいろやってみようかなと」

その後、天ぷらなど実際に調理した写真を送ってもらっいました。


■キノコ採り名人と山へ

好調の夏キノコ。キノコ採り名人でもある道の駅の小林さんと一緒に実際に、近くの山へ入ってみました。

鈴や撃退スプレーなど入念に「クマ対策」をして入山―。


探し始めると、早速―。

道の駅 信州新町・小林久一さん:
「タマゴタケです。ちょっと大きくなった感じのね」

道の駅でも売られていたタマゴタケ。例年、7月後半から出始めるということですが、今年は早く、かなりの大きさになっていました。

記者:
「タマゴタケ採れました。とても大きいです」


■卵のような袋が特徴「タマゴタケ」

道の駅 信州新町・小林久一さん:
「これもそうです。これがいわゆる出立てです。さすがにいいのありましたね、品質的には最高の」

卵のような袋で覆われていることからその名がついたタマゴタケ。天ぷらにするとおいしいそうです。


■毒キノコ「ベニテングタケ」も

一方、こちらはー

道の駅 信州新町・小林久一さん:
「これ似てますよね。似ているけど、これはベニテングですから、毒です」

赤いかさがタマゴタケと似ている。こちらは毒キノコです。よく見ると卵状の袋がついていません。

道の駅 信州新町・小林久一さん:
「分からないキノコは採らないというのが一番。自分で確かにこれは間違いないというキノコ以外は採らないと」


■「アカヤマドリ」に「チチタケ」も

道の駅 信州新町・小林久一さん:
「これ最高じゃないですか、アカヤマドリ」

続いて見つけたのはアカヤマドリ。例年、7月後半から出始めます。

道の駅 信州新町・小林久一さん:
「結構、かさがとれちゃうんですよ。これぐらい大きくなれば大丈夫ですけど、この裏が黄色いやつは大丈夫ですね」

見た目とは裏腹のおいしい夏キノコです。

道の駅 信州新町・小林久一さん:
「ステーキみたいな感じにもできますけど、簡単なのはバター炒めが一番手軽でおいしい」


さらに―。

道の駅 信州新町・小林久一さん:
「これがそうです。これがチチタケです」

例年、7月下旬から出始めるチチタケ。香りが良いキノコです。


道の駅 信州新町・小林久一さん:
「採ってですね、こうやると乳(チチ)が出る」

記者:
「白っぽいのが出てきましたね」

道の駅 信州新町・小林久一さん:
「これでチチタケという」


■今年は豊作

次々と採れる夏キノコ。小林さんによりますと、2023年は雨が少なく不作でしたが、今年は梅雨時に十分、雨が降り、豊作につながったということです。

道の駅 信州新町・小林久一さん:
「今年はタマゴタケは非常に豊作です。アカヤマドリも例年よりは多いです。結構、雨が連日降っていました、梅雨明け前まで。それと最低気温ですね。ちょっと高めが良いもので、20℃くらい。それがちょうどよかったのではないか」

この日は3種類を収穫。


■天ぷらやバター醤油炒めに調理

早速、調理してもらいました。

はさみでカットしたタマゴタケは衣をつけて、天ぷらにしました。

道の駅 信州新町・小林久一さん:
「ちょっと焦げ目がつくといいかな」

チチタケも天ぷらに。

アカヤマドリはバターとしょうゆで炒めます。


夏キノコのお手軽料理を味わってみました。

タマゴタケから―。

(記者リポート)
「タマゴタケいただきます。かさのところはトロトロしているんですけど、シャキッとして、おいしいです」


小林さんも―。

道の駅 信州新町・小林久一さん:
「おいしいです。腕がいいのかな(笑)」


チチタケの天ぷらは―。

記者:
「おいしいです、香りが強いですね」

道の駅 信州新町・小林久一さん:
「チチタケは、だしをとるのにいいキノコ」


アカヤマドリのバターしょうゆ焼きは―。

記者:
「しっかりバターしょうゆの味が染みていて、それでいてキノコの香りもして、とてもおいしいです」

道の駅 信州新町・小林久一さん:
「最後にコクというのですかね、それがくるという夏キノコ独特の」


■8月上旬まで楽しめる

最盛期を迎えた西山の夏キノコ。小林さんによりますと、タマゴタケは8月初めごろまで、チチタケやアカヤマドリは8月上旬までは道の駅で販売できそうだということです。

道の駅 信州新町・小林久一さん:
「今しか食べられないという形ですから、その辺をぜひ楽しんでいただきたい。特にタマゴタケなんかは見た目も真赤なルビーの色ですからね、きれいな色ですから、楽しんでいただきたい」

■毒キノコ食べて死亡例も 注意を

一方、長野県では7月20日、上田市の20代の男性が有毒キノコを食べ、腹痛、嘔吐、下痢などを訴え、長野市内の医療機関に入院しましたが、死亡する事例がありました。

これを受け、県は7月26日、全県に「有毒きのこ食中毒注意報」を出し、有毒キノコによる食中毒防止を徹底するよう呼びかけています。

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