全身の筋力が低下する難病・ALSの患者の生きざまを追ったドキュメンタリー映画が、8月3日に札幌市で上映される。

準備をする関係者の思いを聞いた。

自らもALSと闘いながら映画の上映に向けて奔走

ALS患者の生き様描くフランス映画「不屈の夏」(提供:P-ALS)
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手や足、喉の筋力などが低下する難病「筋萎縮性側索硬化症・ALS」と診断されたフランス人男性の生きざまを描いたドキュメンタリー映画「不屈の夏」。

フランスやアメリカなど5か国で公開された話題作が、8月に札幌でも上映される。

7月7日、関係者が準備を進めていた。

映画の上映を働きかけたのが、自身もALSと闘いながら患者や家族を支援する団体の代表を務める畠中一郎さんだ。

主人公、オリヴィエ・ゴアさんの生きざまに感銘を受けた畠中さんは、映画をより多くの人に見てもらいたいと奔走してきた。

「悩みを抱えていて抜け出せないと思っている方々に対して、とても大切なメッセージになるんじゃないか」(すこやかさゆたかさの未来研究所 畠中一郎 代表)

バイオリニストの大平まゆみさんも協力

ALS患者は国内に約9800人。

北海道には400人ほどいるとされている。

札幌交響楽団のコンサートマスターを務めたバイオリニストの大平まゆみさんもその一人だ。

大平さんは人工呼吸器をつけるための気管切開手術を行い、声を出すことができなくなったが、今回の映画を知り、実行委員に加わりたいと申し出た。

長年大平さんとラジオ番組をともにする高山さんは。

「何かを発信することに関して強い意志をお持ちだと感じた」(AIR-G’ 高山秀毅アナウンサー)

「初めて外出した」ラジオのメッセージは視線で入力

「皆様、おはようございます。大平まゆみです。先月、素晴らしい経験をしました。初めて外出をしたのです」(AIR-G’より)

これは2024年6月に放送されたラジオ番組だ。

大平さんは、視線で文字を入力。

過去の自身の声を音源に視線入力した音を組み合わせ、ラジオ番組にメッセージを寄せている。

上映会当日も会場にメッセージを寄せる予定だ。

(提供:P-ALS)

ドキュメンタリー映画「不屈の夏」の上映会の席はすでに満席となり、8月3日札幌で開かれる。

今後、一般上映も目指したいとしている。

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