岐阜県郡上市八幡町の「ホテル郡上八幡」が、1日のチェックアウトを最後に営業を停止したことが分かった。地元ではユネスコ無形文化遺産の「郡上おどり」が9月7日まで開催中で、観光関係者は対応に追われた。
ホテルのサイトに「営業停止のお知らせ」が掲載された。それによると宿泊営業のほか、温泉の日帰り入浴、敷地内にあるレストランも1日までに営業を終了し、「郡上おどり開催日を中心にたくさんの予約をいただいておりますが受け入れることができません」とした。
ホテルは取材に対し、資金繰り悪化を原因とした。運営会社「千虎観光」(同市)は破産手続きに入る。同社の中島規夫社長は「コロナ禍でビジネスモデルが変わってしまった。インバウンド客はあったが、日本人の団体客がなくなってきた。予約していた方々には申し訳ない」と話した。
客室は和室を中心に約50室あり、予約している個人や旅行会社に電話やメール、ファクスで連絡を入れているという。
帝国データバンク岐阜支店によると、負債総額は約5億6千万円。
市には郡上おどりの期間中、県内外から多数の観光客が訪れる。郡上八幡観光協会などによると、ホテル郡上八幡は小規模な宿泊施設が集まる八幡地区では最大という。
協会には1日午前から「どこか空室のある施設はないか」といった問い合わせの電話が相次いだ。協会は2日、地元宿泊施設について最新空室状況の調査を始めた。
可児俊行事務局長は「問い合わせで営業停止を知った。この時期は満室の施設も多いが、案内に最善を尽くしたい」と話した。(荻野好弘)
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