“賭けない・飲まない・吸わない”という「健康マージャン」がジワリと広がっています。

これまでイメージが悪かったマージャンが、今“頭脳スポーツ”として人気なんです。

「マージャンは脳のマッサージ」と書かれた看板が掛かっている部屋では、「リーチ、ドラ、ピンフ、一盃口、ドラ、ドラ、跳満」という声が響いていました。

この部屋で行われていたマージャン大会は「健康マージャン」と呼ばれるもので、通常のマージャンのルールに加えて、“お金を賭けない、お酒を飲まない、タバコを吸わない”というルールがあります。

健康マージャンを運営する「日本健康麻将協会」は2024年3月、明治安田生命とパートナーシップ協定を結び、自治体と協働し、健康マージャン大会や教室を全国で開催しています。

明治安田生命保険相互会社の酒井喜久横浜支社長は「1つのコミュニティーとか和・輪、社会の福祉に貢献できないかと。心身ともに健康のきっかけとなればと考えています」と話しました。

日本健康麻将協会は、諏訪東京理科大学・篠原菊紀教授の協力のもと、「マージャンが認知症予防に良い」という通説に医学的アプローチを行いました。

その結果として、「マージャンを楽しんでいる人の脳の年齢が平均より、約3歳若い」ことと「脳が様々な部位を活動させることから、“脳トレ効果”がある」としています。

大会の出席者からも「母が認知症になったので、私もボケないように始めた」といった声が聞かれました。

この日の大会には40代~80代までの36人が集まりました。参加者は女性がほぼ半数を占めています。

参加者にマージャンを始めたきっかけを聞いてみると、「(以前は)ゴルフをやっていて悪天候のときに、みんなマージャンができるのに私ができなかったので、『覚えたら?』って言われて、調べたらマージャン教室があったので」「高齢者なので趣味もないので、(マージャンを)趣味に持っていれば楽しいなと。色々お話できるし」などと様々でした。

健康マージャンを通じて、「健康・仲間・生きがい」の3つを作ることも大きな目的の1つになっています。

現役で仕事をしている40代の男性からは「小さいスペースで遊べる。こんなに頭を使うのが仕事以外ではなく、楽しい頭の使い方で楽しい」といった声も聞かれました。

この日は、2人のプロも参加していました。教える側の立場からも客が増えていることを実感しているといいます。

杉山安澄プロ:
(マージャンに)触れやすくなった。ノーレート(賭けなし)や、健康マージャンが増えてきて、どんな人でも入りやすくなったから、女性客も増えたかなと思う。

木場遥夏プロ:
女性・男性関係なくマージャン競技ができるように普及した。同じ卓についたら、年齢も男女も関係なく仲間・ライバルとして戦う。

マージャン歴60年超、健康マージャンの大使を務める俳優・中原ひとみさん(88)は、マージャンの魅力について「奥が深い。考えることがすごく多い。“これでいい”ってことがない。いつまでたっても卒業することはないから面白い」と語りました。

また、この日の大会で優勝した佐藤光夫さん(75)は、「知らない人との付き合いができて、交流も広がっていくんじゃないか」と話しました。

健康マージャンを通じて「健康づくり・仲間づくり・生きがいづくり」の輪が広がっていきそうです。

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