北陸新幹線京都駅の設置場所の3案の一つとしてJR桂川駅付近が挙げられた。JR京都駅から大阪方面に向かう在来線で2駅目にあり、乗車時間5~6分の距離にある。平日の午前11時~午後2時台に停車する列車の数は1時間あたり上下合わせて8本だ。
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駅は2008年に開業した。周辺はキリンビール京都工場の跡地の再開発が進み、14年には駅直結で京都府内最大級のイオンモールが開業。オムロンヘルスケアや京都銀行などの有力企業、有名私立高の付属小学校などが次々と進出している。
子育て世代が市外に流出して人口減少に悩む京都市にあって、人口が大幅に増えている。JR桂川駅から西へ直線距離にして約600メートルのところには阪急洛西口駅もあり、京都と大阪双方へJRと阪急の2路線が使える交通利便性が新住民を引きつけている。
京都市の住民活動の単位である「学区」別の人口を10年と22年で比べると、桂川駅の副駅名ともなっている久世は3161人増え、市内で最多だった。合計特殊出生率でみても南区は市内11行政区の中でトップだ。
京都市は21年に市都市計画マスタープランを見直し、JR桂川駅と阪急洛西口駅周辺を子育て世代の市外流出に歯止めをかける「職住接近のまち」として位置づけた。これまではおおむね6階建て程度のマンションしか建てられなかった国道171号沿いや久世橋通沿いで高さ制限を21メートルから30メートルに、容積率も300%から400%に緩和し、住宅やオフィスなど多様な建築需要に応えられるようにした。
この見直しに基づいて設計・建築中のマンションの分譲もすでに始まっている。市都市計画課の担当者は「新しい駅が出来れば交通利便性が更に向上し、一帯のまちづくりにとって間違いなく追い風だ」と話す。(日比野容子)
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