走行する「ドクターイエロー」=JR西日本提供

 JR東海とJR西日本は10月、引退を発表した点検車両「ドクターイエロー」に乗車する体験イベントを開催する。東海道新幹線と山陽新幹線の各区間を走行する車両に乗り、車内の見学などをしながら検測作業の雰囲気を楽しむことができる。抽選販売方式で、8月中に申し込みを受け付ける。最後の乗車イベントとなる可能性もあり、当選は狭き門となりそうだ。

 東海は、12日に東京―新大阪間を走行するコースで開催し、料金は大人1人で4万8000円(税込み、中学生以上)。JR西日本は、12日に開催する新大阪―博多間が4万8500円(同)、15日に開催する岡山―博多間のコースが4万4000円(同)。料金には片道運賃と記念品が含まれる。1~3人単位で申し込むことが可能で、各コースで50人ずつ募集する。

 黄色をまとった車体から「ドクターイエロー」の名で親しまれ、新幹線の線路を走りながら設備を点検する役割を担ってきた。運行ダイヤは非公開とめったに見られないことから、「幸せを呼ぶ」として鉄道ファンの人気が高い。老朽化などのため、JR東海は2025年1月、JR西日本は27年以降をめどに運行を終えると発表している。後継車両は予定されていない。

ドクターイエローの車内=JR西日本提供

 JR東海によると、23年8月に開催した乗車イベントでは、120組の枠に対し2万3000件の応募があり、倍率は190倍にも及んだ。JR東海と西日本両社は、この先について「同様のイベントを開催するかは未定」と話している。

 申込期間はJR東海が15日まで、JR西日本は16~18日。【嶋田夕子】

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