高知の夏を彩る「よさこい祭り」が9日、幕を開けた。前日に気象庁が「巨大地震注意」を発表したことを受けて、主催団体の「よさこい祭振興会」の役員らが総務部会を開いて検討。地震が起きた場合の避難場所を観客に周知するなど、可能な限りの対策をするとした上で、予定通りの開催を決めた。

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 高知市の高知城特設ステージでは午前11時から、「土佐学生よさこい大会」がスタート。全国から大学生ら約850人が集まった。

 開会あいさつで実行委員長の小川優太さん(21)=高知大4年=は、万一地震が起きた際の避難所について参加者に案内した後、「恵まれた天気のもと開会を宣言します」と述べた。

 開会直前まで関係者と開催の可否を話し合ったという。取材に「何かあったときに学生である自分たちが責任を取りきれるのか、最後まで悩んだ」と話した。

 演舞のトップバッターは、地元・高知の大学生44人による「よさこいチーム炎~ほむら~」。代表の瀬戸口聡美さん(21)は「地震も熱中症も不安はあるが、このメンバーで踊れるのは今年が最初で最後。先輩がつなげてきた大事な思いを後輩につなげようと思い踊りきった」と話した。

 よさこい祭振興会の山崎道生部会長(73)は「今年は台風もなく、安心していたら、南海トラフの地震が急にリアルな話になった」と話した。

 振興会によると、10、11両日のよさこい祭り本番に参加予定188チームのうち、四国電力関係者の踊り子チーム「四電グループ」から出場辞退の連絡があった。

 市内のホテルによると、地震発生以降、観光客の宿泊キャンセルが十数件あったという。担当者の1人は「正確な情報を伝えることが大切だと思う」と話した。(亀岡龍太、羽賀和紀)

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