高知の夏を盛り上げる「よさこい祭り」の本番が10日始まり、鳴子(なるこ)を手にした踊り子たちが市中心部の商店街を練り歩いた。「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」の発令が続く中での開催となり、主催団体は観客に避難路を案内するなど対応に追われた。

 午前11時、高知市のアーケード商店街を会場とする「帯屋町(おびやまち)演舞場」で祭り本番は幕開け。地元商店主らで作る「帯屋町筋」のメンバーがスタート地点の「ひろめ市場」前に姿を見せると、集まった大勢の観客から拍手と歓声が湧いた。

 鳴子を手にした150人の踊り子が、長さ550メートルの商店街を20分かけて練り歩いた。

 隊長の楠瀬昭一さん(50)は「暑さに新型コロナ、そして地震と不安が続いたが、無事にこの日を迎えられてよかった」と振り返った。

 日向灘を震源とする8日の地震では、高知県が災害対策本部を設置するなどした。

 祭りを主催する「よさこい祭振興会」は9日、巨大地震注意の発令を踏まえ、可能な限りの安全対策をするとしたうえで予定通りの開催を決めた。

 帯屋町演舞場を管理する秋永剛志事務局(55)は「地震はいつくるか分からないので内心は心配だが、この日のために踊り子たちが仕上げてきた演舞を安心して披露できるようにしたい」と話した。

 本番は11日まで。高知市中心部に設けられた17カ所の会場で演舞の披露が予定され、約1万7千人が参加する。12日には本番で入賞したチームなどによる後夜祭がある。

 振興会によると、本番に参加予定だった188チームのうち、四国電力関係者の踊り子チーム「四電グループ」など4チームから出場辞退の連絡があった。(羽賀和紀)

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